ECサイトの構築費用や費用を抑えるコツを元事業会社マーケターが解説!

著者:佐々木 理人
JT、株式会社I-neを経て、株式会社Venture Oceanを創業。
株式会社I-neで新規立ち上げした「YOLU」は1年で売上70億、ドラッグストアのシリーズ別シェアNo.1になる。
市場調査、コンセプト策定、新規事業立上げが得意。
目次
まず、ECサイト構築で失敗しないために
元事業会社でマーケティングを担当し、D2CブランドやEC事業の支援を行ってきた経験から、ECサイト構築について解説します。
ECサイトを構築する際、多くの企業が「思ったより費用がかかった」「本当に必要な機能が抜けていた」「運用コストを考えていなかった」といった後悔をしています。実際、支援してきた企業の中にも、初期の見積もりの2倍近い費用がかかってしまったケースが複数ありました。
この記事では、そんな失敗を繰り返さないために、現場目線で本当に知っておくべきECサイトの構築費用と賢く費用を抑えるコツを解説します。
ECサイト構築費用の全体像【2025年最新版】
構築方法別の費用相場
まず、ECサイトの構築費用は「どの方法で作るか」によって大きく変わります。
| 構築方法 | 初期費用 | 月額費用 | 制作期間 | おすすめの企業 |
|---|---|---|---|---|
| ECモール型 (楽天、Amazon等) | 0円〜10万円 | 2万円〜10万円 | 1週間〜1ヶ月 | とにかく早く始めたい |
| ASP型 (BASE、Shopify等) | 0円〜100万円 | 0円〜10万円 | 1週間〜2ヶ月 | 小規模〜中規模で独自性を出したい |
| オープンソース (EC-CUBE等) | 10万円〜500万円 | 1万円〜5万円 | 1ヶ月〜3ヶ月 | カスタマイズ性を重視したい |
| パッケージ型 | 100万円〜3,000万円 | 10万円〜50万円 | 2ヶ月〜6ヶ月 | 大規模ECを本格展開したい |
| フルスクラッチ | 500万円〜数億円 | 50万円〜 | 4ヶ月〜1年以上 | 完全オリジナルが必要 |
実は見落としがち!ランニングコストの内訳
初期費用だけに目が行きがちですが、ECサイトは継続的なコストが発生します。中規模のECサイトでは、月間30〜50万円程度のランニングコストがかかることも珍しくありません。
主なランニングコスト:
- サーバー・ドメイン費用: 月1万円〜10万円
- 決済手数料: 売上の3%〜7%
- 配送料・梱包材: 1件あたり500円〜2,000円
- システム保守費用: 月5万円〜50万円
- 運営人件費: 月30万円〜(最低1名分)
- 広告・マーケティング費用: 月10万円〜(売上の10〜20%が目安)
マーケター視点のポイント: 多くの企業が「ECサイトを作れば売れる」と考えていますが、実際には集客費用が最も大きなコストになります。広告費を含めた総コストで予算を組むことが重要です。
【実例付き】予算別のECサイト構築プラン
予算50万円以下:スモールスタート型
構築方法: ASP型(BASE、STORES、Shopify等)
[実現できること]
- テンプレートを使った基本的なデザイン
- 商品登録(50〜100点程度)
- クレジットカード決済、コンビニ払いなどの基本決済
- 簡単な在庫管理
ECサイトが初めての企業や、まずは小さく始めて様子を見たい企業、実店舗メインでネット販売は補助的に考えている企業に最適です。
マーケター視点のアドバイス: 「小さく始めて大きく育てる」が鉄則です。実際、支援したD2Cブランドの中には、ASP型のECサイトから始めて、1年で年商億超えを達成した事例もあります。最初から完璧を目指すより、顧客の声を聞きながら改善していく方が成功率が高いです。
成功している具体例:
- BASEを活用した小規模アパレルブランドが、Instagram連携で月商100万円を達成
- STORESで始めた雑貨店が、1年後にShopifyへ移行し事業拡大
- ハンドメイド作家がShopifyで海外販売も開始し、年商1,000万円突破
予算50万円〜200万円:独自性重視型
構築方法: ASP型(プロに依頼)またはオープンソース型
実現できること:
- オリジナルデザインでのサイト構築
- 商品撮影・コンテンツ制作(一部)
- カスタマイズされた決済機能
- 基本的なSEO対策
- メルマガ配信などのマーケティング機能
ブランドイメージを大切にしたい企業や、競合と差別化したい企業、年商500万円〜3,000万円を目指す企業に向いています。
マーケター視点のアドバイス: この価格帯では、デザインよりも「売れる仕組み」に投資すべきです。綺麗なサイトより、CTA(購入ボタン)の配置、商品ページの構成、決済の簡便さなど、「コンバージョン率を上げる仕掛け」の方が重要です。
支援実績の中では、健康食品D2Cブランドで対競合の購入意向140%を達成したケースや、化粧品D2Cブランドで競合品に対して購入意向120%を記録した事例があります。これらは高額なシステムではなく、顧客理解とコンセプト設計に投資した結果です。
成功している具体例:
- 北の快適工房:楽天出身者が創業、「刺す化粧品」など独自商品で年商100億円超
- オルビス:自社ECサイトで会員数400万人以上、定期購入モデルで安定収益
- 土屋鞄製造所:職人の想いを伝えるストーリー型ECで高単価商品を販売
予算200万円〜1,000万円:本格展開型
構築方法: パッケージ型またはオープンソース型(大規模カスタマイズ)
実現できること:
- 完全オリジナルデザイン
- 商品撮影・ライティング込み
- 在庫管理システムとの連携
- 顧客管理システム(CRM)導入
- 定期購入・サブスクリプション機能
- 詳細な分析レポート機能
- 運用サポート
マーケター視点のアドバイス: この規模になると、システムよりも「運用体制」が成功の鍵になります。支援実績の中でも、1年で年商億超えを達成したフィットネス系企業の新規事業や、前年+6000万の売上を実現したBtoC事業など、成功事例では必ず強固な運用体制が整っていました。システム投資と同時に、人材・運用フローへの投資も必須です。
成功している具体例
- BASE FOOD:完全栄養食のサブスクモデルで急成長、独自ECサイトで顧客データ活用
- COHINA:小柄女性向けアパレル、自社ECとSNS連携で年商20億円規模に
- BULK HOMME:メンズスキンケアD2C、定期購入モデルと広告戦略で拡大
ECサイト構築の費用を抑える5つのコツ
1. MVP(最小実行可能製品)思考で始める
具体策
- 最初は必要最低限の機能だけでスタート
- 顧客の反応を見てから機能を追加
- 「あったら便利」ではなく「ないと困る」機能だけを実装
実例: 支援実績の中では、月商を3.5倍(数千万円プラス)に成長させたD2Cブランドがあります。このブランドは最初ECモール中心でスタートし、顧客の声を聞きながら段階的に機能を追加していきました。
また、半年で総フォロワー1.3万人、300万リーチのUGCを達成したD2CブランドのSNS立ち上げ支援では、最初から完璧なシステムではなく、必要最小限の機能でスタートし、データを見ながら改善を重ねました。
一般的な成功パターン
- COHINA:Instagramで顧客の声を集めながら商品開発→自社ECで販売
- スープストックトーキョー:実店舗での人気商品から厳選してEC化、段階的に拡大
2. テンプレートを賢く活用する
具体策:
- 高品質な有料テンプレートを購入(2万円〜5万円程度)
- カラーやフォントを自社ブランドに合わせてカスタマイズ
- ゼロから作るより、テンプレートベースの方が品質が安定
マーケター視点: 「オリジナルデザインでないと差別化できない」は誤解です。本当の差別化は商品・サービス・コンテンツで行うべきで、デザインに100万円かけるより、商品開発や写真撮影に投資した方がコンバージョン率は上がります。
成功している具体例
- Allbirds:Shopifyテンプレートベースでも、商品の環境配慮ストーリーで差別化
- Glossier:シンプルなECデザインながら、コミュニティ形成とUGCで成長
- スナックミー:テンプレートを活用しつつ、サブスクモデルの体験設計で差別化
3. 段階的な開発計画を立てる
フェーズ分けの例
【第1フェーズ】(初期投資:50万円)
- 基本的なEC機能のみ
- 主力商品20〜30点のみ掲載
- 決済は2〜3種類
【第2フェーズ】(運用3ヶ月後:追加50万円)
- 商品数を100点に拡充
- メルマガ機能追加
- SEO対策強化
【第3フェーズ】(運用6ヶ月後:追加100万円)
- 定期購入機能追加
- 会員ランク制度導入
- 在庫管理システム連携
効果: 初期費用を抑えられるだけでなく、各フェーズで売上を確認しながら投資できるため、リスクが大幅に減ります。
4. 内製できる部分は自社で行う
自社でできること
- 商品撮影(スマホ+簡易撮影ブース:3万円程度)
- 商品説明文のライティング
- SNS連携・運用
- 基本的な商品登録作業
外注すべきこと
- システム開発・カスタマイズ
- サイト全体の設計・構成
- 決済システムの実装
- セキュリティ対策
コスト削減の目安: 商品撮影を外注すると1商品あたり5,000〜30,000円かかりますが、自社でスマホ撮影(撮影ブース3万円程度)を行えば、100商品で50万円以上のコスト削減が可能です。
ただし、商品の魅力を最大限引き出すためには、プロの力も必要です。主力商品はプロに依頼、その他は自社で対応というハイブリッド戦略がおすすめです。
5. 相見積もりは必須(ただし適切に)
効果的な相見積もりのコツ
- 最低3社から見積もりを取る
- RFP(提案依頼書)を作成し、同じ条件で比較
- 安さだけでなく、実績・サポート体制も評価
- 「何を含んで何を含まないか」を明確に確認
注意点: 価格だけで選んで失敗するケースは非常に多いです。最安値の会社に依頼したところ、追加費用が次々と発生し、結果的に最も高くつくパターンがあります。「見積もりに含まれる作業範囲」を細かく確認することが重要です。
チェックすべきポイント:
- 商品登録は何点まで含まれるか
- 撮影・ライティング費用は別か
- システムのカスタマイズ費用は別か
- 公開後のサポート期間と範囲
ECサイト構築の成功事例と失敗パターン
支援実績からの成功事例
| 事例 | 成果 | 成功のポイント |
|---|---|---|
| 健康食品D2Cブランド新規立ち上げ | 対競合の購入意向140%を達成 | ・徹底的な顧客理解(N1インタビュー) ・コンセプト設計の最適化 ・競合との差別化ポイントの明確化 ・高額システムではなく顧客理解に投資 |
| フィットネス系企業新規事業 | 1年で年商億超え | ・明確なターゲット設定 ・サブスクリプションモデルの採用 ・データに基づく継続的な改善 |
| ECモール中心のD2Cブランド | 月商3.5倍(数千万円プラス) | ・ECモール中心から段階的に自社ECへ展開 ・顧客の声を聞きながら機能追加 ・必要最小限からスタート |
| インテリアD2Cブランド | モール経由での売上大幅改善 | ・ECモール戦略の見直し ・各モールの特性を活かした商品展開 ・自社ECとモールのバランス運営 |
| BtoC事業のメディア | 前年+6000万の売上 | ・集客戦略の最適化 ・コンテンツディレクションの強化 ・データ分析に基づく改善 |
| 化粧品D2Cブランド<br>新規立ち上げ | 競合品に対して購入意向120% | ・市場調査とコンセプト設計 ・ターゲット顧客の明確化 ・差別化ポイントの明確化 |
| D2CブランドのSNS | 半年で総フォロワー1.3万人、300万リーチのUGC | ・データに基づく継続的な改善 ・UGC(ユーザー生成コンテンツ)の活用 ・コミュニティ形成 |
| 女性向けメディア新規立ち上げ | 1年で月商200万円 | ・明確なターゲット設定 ・コンテンツ戦略の最適化 ・段階的な成長 |
ECサイト構築の成功には専門家のサポートが重要
ここまで紹介した成功事例に共通するのは、明確な戦略と継続的な改善です。しかし、自社だけでこれらを実現するのは簡単ではありません。
Venture Oceanは、D2CブランドやEC事業の戦略策定から実行支援まで、豊富な実績を持つマーケティング支援会社です。対競合の購入意向140%を達成した健康食品D2Cブランドの新規立ち上げ、1年で年商億超えを実現したフィットネス系企業の新規事業、月商3.5倍・数千万円プラスを達成したD2Cブランドの卸展開支援など、数字で証明される確かな実績があります。
Venture Oceanが支援するのは、単なるECサイト構築だけではありません。システム選定のアドバイスはもちろん、顧客理解とコンセプト設計、ECモール戦略の最適化、SNSマーケティングの実行支援まで、売上を伸ばすための総合的な戦略を提供しています。初期投資を抑えた立ち上げから、データに基づく継続的な改善、事業フェーズに応じた戦略提案まで、段階的な成長をサポートします。
ECサイトを立ち上げたいが何から始めればいいかわからない企業、システムは作ったが売上が伸びない企業、競合との差別化ができていない企業、ECモールと自社ECのバランスに悩んでいる企業、データ分析や改善施策の進め方がわからない企業など、EC事業に関するあらゆる課題に対応可能です。
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<この記事の編集・運営者>
株式会社 Venture Ocean