リブランディングの必要な費用や成功させるコツを元事業会社マーケターが解説!

ブランディング

著者:佐々木 理人 
JT、株式会社I-neを経て、株式会社Venture Oceanを創業。
株式会社I-neで新規立ち上げした「YOLU」は1年で売上70億、ドラッグストアのシリーズ別シェアNo.1になる。
市場調査、コンセプト策定、新規事業立上げが得意。

「ブランドの売上が伸び悩んでいるけど、リブランディングにいくらかかるのか分からない」「どのタイミングでリブランディングすべきか判断できない」「失敗したくないが、成功のコツがわからない」
このような悩みを抱えているブランド担当者の方は少なくありません。

リブランディングの重要性は理解していても、いざ実施しようとすると「費用はどれくらい必要なのか」「どうすれば成功するのか」といった壁に直面するものです。

実際、リブランディングの費用は100万円から1,000万円以上まで幅広く、プロジェクトの規模や内容によって大きく異なります。限られた予算で最大の成果を出すためには、費用相場と成功のポイントを正しく理解することが不可欠です。

そこで本記事では、リブランディングの費用相場と詳細な内訳、そしてリブランディングを成功させるコツについて、元事業会社マーケターの視点から2025年最新版としてわかりやすく解説します。実施すべきタイミングから進め方、成功事例までご紹介しますので、ブランド戦略立案の参考にしてください。

目次

1. リブランディングとは?

リブランディングとは、商品・サービスや企業自体などの既存のブランドを、時代の変化や顧客に合わせて構築し直すことです。

定性的には、ブランドの求心力や影響力に陰りが感じられた際、魅力やアピール力を蘇らせるための取り組みです。

定量的には、ブランドがもたらす利益や売上の伸びが鈍化したり減少したりしてきたものを、再度伸ばす活動のことです。

リブランディングに関するよくある誤解

ロゴやキャッチフレーズを変えればリブランディングというわけではありません。リブランディングは、ブランドの現状とあるべき理想の姿を見据えたうえで、課題を洗い出し、解決していく活動の全般を指します。

リブランディングでは、それまでのブランドの資産(認知度や信頼感など)を継承し、ミッションやビジョンといったブランド経営の根幹となる部分は変えません。変えるのは、コンセプトを中心とした顧客へのメッセージです。

2. リブランディングの費用相場

リブランディングの費用は、プロジェクトの規模や依頼内容によって大きく異なります。

全体の費用相場

企業向け: 100万円〜1,000万円以上

プロジェクトの規模や依頼先によって幅広く変動します。同条件で簡単な見積もりを求めた場合でも、100万円程度〜1,000万円以上のように違いがあり、費用相場の把握が難しい現状です。

依頼先別の費用相場

コンサルティング会社: 500万円〜800万円以上

  • 現状分析からブランド構築、運用までの流れを一貫してサポート
  • ブランディング戦略を抜本的に見直したい場合におすすめ
  • 初めてのリブランディングで専門家のサポートが必要な場合に最適

広告代理店: 300万円〜500万円

  • 広告を利用してリブランディングする場合に依頼
  • 広告戦略の立案や広告制作、各種メディアへの掲載まで対応
  • 必要なサポートや広告を展開する規模によって費用が変動

制作会社: 費用は依頼によって変動

  • ロゴデザインやWebサイト構築など、制作業務を中心に請け負う
  • すでにブランディングの戦略や具体的な施策がほぼ固まっている場合におすすめ

フリーランスデザイナー: 制作会社より費用を抑えられる傾向

  • デザイナーと直接コミュニケーションを取れる
  • 情報伝達をスムーズに行える
  • 予算が少ない場合でも依頼可能

マーケティングツール活用

企業に依頼するより少ないコストで、リブランディングに挑戦できます。

初期費用: 10万円 月額利用料: 10万円〜

CMS(簡単なWebサイト作りが可能)や、マーケティング分析機能なども備えた、手厚いサポート付きツールもあります。

3. リブランディングの費用内訳

リブランディングを外部の事業者に依頼する場合、具体的にどのような費用がかかるのでしょうか。主な費用の内訳をご紹介します。

コンサルティング料(月額10万円〜30万円)

ブランディングに取り組むにあたって、抱えている課題や注力すべき領域は企業ごとに大きく異なります。課題の抽出やブランディング戦略の構築に向けて継続的なサポートを行うための費用です。

中長期的にサポートする必要があるケースがほとんどのため、一般的には月額制の料金体系となります。最低契約期間が3カ月〜1年程度設けられているパターンが多いため、事業者ごとの得意分野や実績を十分に確認した上で依頼することが大切です。

ロゴ・CI制作費(50万円〜200万円)

企業の顔となるロゴやCI(コーポレートアイデンティティ)を専門のデザイナーが制作します。ブランドのイメージを視覚的に表現する重要な要素です。

大規模なデザイン会社の場合は費用が高くなりますが、知名度が上がると依頼が殺到し高額に設定していることが多いです。納得できるデザインにしてもらう必要はありますが、費用を抑えるなら小規模のデザイン事務所でも問題ありません。

Webサイト制作・リニューアル費(50万円〜300万円以上)

ブランドの価値やイメージをアピールするホームページを作成またはリニューアルします。デザイン性と共に、使いやすいかどうかも顧客獲得に大きく関わってきます。

費用は、写真撮影やロゴ作成など全ての作業を依頼するのか、自社から素材を提供するのか、運用管理をどうするのかといった点によって変化します。

ホームページは定期的に更新して情報を新しくしたほうが良いので、費用を抑えるなら最初はシンプルなものにして、後から情報を足していくという手法を取ることも可能です。

パンフレット・販促物制作費(50万円〜100万円)

オンラインではなくオフラインでもリブランディングを施策する場合、パンフレットやDMの内容をリニューアルすることも有効です。

直接手渡せて手元に残り、すぐに見返せる紙媒体のパンフレットも大きな宣伝効果を産みます。チラシとして配布したり、店頭に置かせてもらったりすることで、ふいに目にする機会が増えて、商品や企業のブランディングに役立ちます。

ページ数や内容、イラストや写真の数などによっても費用は異なります。

広告費(規模によって大きく変動)

リブランディング後の認知拡大やイメージ浸透のための広告展開費用です。テレビ、Web、SNS、雑誌など、媒体によって費用が異なります。

4. リブランディングを実施・検討するタイミング

リブランディングを実施すべきタイミング

リブランディングを実施するタイミングは、顧客サイドから見たタイミングと、事業者サイドから見たタイミングの2パターンあります。

顧客サイドから見たタイミング(推奨)

簡単に言うと『そのブランドが消費者から飽きられたタイミング』です。

定性面

  • SNSでのブランドへの言及量が減ってきた
  • ダサいと言われるようになった
  • 卸をしていれば、店頭のプロモーションスペースに置かれ辛くなった

定量面

  • 売上・利益などの指標が落ちている
  • 広告の各面の獲得効率が全体的に低下している
  • リピート率・継続率が落ちている(売上や利益が落ちる前のシグナル)

事業者サイドから見たタイミング

簡単に言うと『何かブランドに変革を起こしたいタイミング』です。

定性面

  • 経営者やブランドマネージャーが変わり、今までとは違うことを行っていきたい
  • 資金を大きく手にして、大胆に投資できるようになった
  • 国内向けのブランドが海外市場では通用しない場合

定量面

  • 原価の急激な高騰で事業構造を変更せざるを得ない
  • 強力な競合の参入が見えていて、事業基盤を強固にしたい
  • シェア○%以上で市場○位を目指したい

基本的には前者の顧客サイドから見たタイミングでリブランディングするのがベストですが、もちろん事業なので事業サイドの理由でリブランディングすることも致し方ないと思います。

リブランディングを検討すべきタイミング

リブランディングを上述のタイミングで実施するには事前に準備が必要です。よくあるのが、上述のようなシチュエーションに直面してからリブランディングを検討する方が多いのですが、これだと上手く行きません。

なので、リブランディングを検討すべきタイミングはズバリ、『ブランドが上り調子で、一番調子がいい時』です。

このタイミングであれば、リブランディングに対してじっくり考える余裕ができますし、何よりブランドに対してポジティブに思考することができます。

5. リブランディングの進め方6ステップ

ステップ①:リブランディングの目的を決める

リブランディングを進めるのにまず大事なのは、『リブランディングの目的を決める』ことです。

よくあるリブランディングの失敗事例であるのが、リブランディングのHOW(ロゴやデザインなど)から入ってしまうパターンです。これは全体の戦略とHOWが合わないので失敗してしまいます。

例えばブランドのユーザーの中でも若年層の構成比を上げたいというのが目的だったとして、それを決めずにロゴやデザインを感覚で決めたとします。すると、若年向きではなく、高年齢層向けのデザインが選ばれてしまい、目的が果たせなくなってしまうのです。

デザインなどの定性のものは特に、どの目線で見るかによって、評価が別れます。なので、先にデザインやロゴを決めるのではなく、先に目的を決め、評価軸を決めるのが大切なのです。

目的の決め方

  • ビジネス面(若年層の構成比を上げる、ロイヤルユーザーを増やす、新規ユーザーを増やす)
  • ブランドエクイエティ(○○というイメージの強化など)

この2軸で決めておくのがオススメです。

ステップ②:リブランディングで変えない点を決める

リブランディングは新規のブランド構築と違い、これまで培ってきたブランドが前提にあります。なので、今までのブランドと180度違う方向に行ってはダメです。

なので、今のブランドから引き継ぐもの、すなわち変えないことを決めましょう。

これはロゴやデザインの色などの目に見えるものを決めるのはもちろんですが、ブランドエクイエティ(○○というイメージ)などを決めるのも大切です。特に後者は忘れられがちなので、ここは注意しておきましょう。

ステップ③:リブランディングで変える点を決める

リブランディングにおいて変えない点を決めたら次は意志を持って変える点を決めます。

このリブランディングで変える点を決める際に大切なのが、『ブランドの弱みの改善を行わないこと』です。

これはかなり多くの人がリブランディングでやってしまう失敗なので、ぜひ覚えておいてください。リブランディングとなると、どうしても皆さん弱みの改善を行いたがるのですが、顧客はあなたのブランドの強みに対してお金を払っているのです。

なので、リブランディングで強化すべきは弱みではなく、強みです。

また、リブランディングでよく起きがちなのが、『変わったことが分からない問題』です。ブランドに関わるメンバーはずっとそのブランドを見ているので、ちょっとした変化にも気づきますが、一般消費者は思った以上に変化に気づいてくれません。

なので、自分たちが思っている1.5倍くらいは変化を起こしても問題ないと考えて頂くのが良いと思います。

ステップ④:実際にリブランディングで変更する案を作成する

ここまで決まれば、ようやくリブランディングで具体的に変えるロゴやデザイン、処方などの中身の改善に動き始めます。

事前に目的や変えない点、変えるべき点は決まっているので、想定よりもかなりスムーズに物事が進むと思われます。

ただ、先ほども申し上げたように、一般消費者は自分たちの想像以上にブランドの変化に気づきません。なので、特に初期段階は、変化させすぎだと自分たちが思えるくらいの変化幅で変化をさせておくことが重要です。

ステップ⑤:ユーザーインタビューをする

リブランディングの変更案が完成したら、実際に作成した変更案を元に顧客インタビューを行います。

まずはN1インタビューのような定性インタビューが良いです。

ユーザーインタビューをする際に大事なのは、新規ユーザーにもインタビューをすることです。

リブランディングなので既存ユーザーを大切にしたい気持ちはわかりますが、新規ユーザーを獲得できないブランドは衰退します。なので、インタビュー対象者の半分程度は既存のブランドを使っていない、新規ユーザーを対象に行うのをオススメしたいです。

定性インタビューで改善点などを洗い出し、ほぼ確定のアイデアまで確認できたら、次は定量テストをします。

ステップ⑥:世の中にどのように、どんなタイミングで発信するかを決める

ここまでくれば、後はリブランディングを実行に移すだけです。

リブランディングは実行のタイミングや、どんなメッセージや方法で世の中に発信するかが非常に大切です。

SNSやリリース、その他のキャンペーンのタイミングや各媒体からのメッセージ、全体からみた役割など、細かい設計が大切です。ここに関しては絶対的な解はなく、各リブランディング毎に設計を考えるべき領域です。

ひとつ言えるのは、各媒体での個別最適ではなく、リブランディング全体を俯瞰して全体最適を図れるか、というのが非常に重要な要素になります。

6. リブランディングを成功させる3つのポイント

ポイント①:手段から入らずに目的から入る

リブランディングの失敗の9割は「手段から考えてしまうこと」です。

先程もお話しましたが、先にロゴやデザインなどの枝葉部分から取り掛かると、後々後戻りできず、致命傷となります。なので、リブランディングは必ず目的を考えるところから入りましょう。

ポイント②:大胆に変える

リブランディングの失敗でよくあるのが、『変わったことが分からない』です。

これは既存のものを変える事に躊躇しすぎるが故に起こってしまう問題です。特に今まで自分たちのブランドを使ったことがないユーザーは、かなり大胆に変えても、変わったことに気づいてくれません。

なので、自分たちが思っている数倍、大きく変える方がリブランディングは成功しやすいです。

ポイント③:ブランドのミッションに沿ったリブランディング

あまり多くはないですが、やってしまうと大失敗となるのが、ブランドミッションからずれたリブランディングです。

例えば「男性が心地よくトレーニングできる世界を目指す」というミッションを掲げたスポーツブランドが、リブランディングでレディースのオシャレコーデブランドに変わろうとするとします。これは確実に失敗しますよね。

この例はさすがにほとんどないと思うのですが、あり得る例としては、これまで伝統や丁寧さを売りにしていたブランドが、近代的なデザインやオシャレさに振り切ったりするパターンがあると思います。こういったのも失敗してしまう要因になるので、ここは注意が必要だと思います。

7. リブランディングをお探しなら株式会社Venture Oceanがおすすめ

リブランディングで確実に成果を出したい方、ブランドを再び成長軌道に乗せたい方には、株式会社Venture Oceanがおすすめです。

株式会社Venture Oceanの特徴

株式会社Venture Oceanはベンチャー・中小企業のマーケティングに特化したコンサル会社です。
ベンチャーや中小企業で事業責任者をしていたメンバーが多く、ベンチャー・中小企業の少ないリソースでも事業を伸ばす方法を理解しているのが強みです。

マーケティングコンサルティングでは、過去に売り上げをV字回復させた経験のある、元事業会社マーケターが支援いたします。
売上ではなく利益を指標とした事業運営を行うため、利益の最大化の打ち手が豊富にございます。

サービスと費用

■フルサポートプラン
現状分析~改善施策実施のすべてを担い、5か月程度でV字回復が期待できる。
費用:月額40万円~、6か月契約~
※事業による

■戦略サポートプラン
現状分析~現状の改善戦略策定までを担い、2か月で事業の戦略を策定。
費用:月額50万円~、3か月契約~
※事業による

■ミニマムサポートプラ
クライアント様が主となり、事業の改善を進めるためのアドバイスやサポートを実施。
5か月程度でV字回復できるようロードマップを作成、プロジェクト推進をサポート。
費用:月額15万円~、6か月契約~
※事業による

初回に限り、1ヶ月契約のトライアルプランもございます。

実績

  • BtoC事業の集客効率アップのサポートにて、前年同期比で2倍以降のコンバージョンを創出。
    想定売り上げで前年同期比+6,000万ほどの効果を生む。
  • D2Cアパレルメーカーの中長期成長戦略にて、市場内でのポジションチェンジを行うことで、現在の市場の20倍もの成長余地があることが判明。
  • 季節商材の販売戦略、ポテンシャルの調査と戦略立案にて、現状の販売数の数倍の成長余地があることが判明。投資を集中すべきタイミングも明らかに。

基本情報

会社名株式会社Venture Ocean
所在地大阪府堺市西区浜寺南町1-66-10
提供サービスBtoCマーケティングコンサルティング 商品開発コンサルティング 市場調査コンサルティング D2Cコンサルティング SNS運用コンサルティング
公式サイトhttps://venture-ocean.com/

こんな方におすすめ

  • 売り上げの伸び悩みを改善されたい方
  • 幅広いサポートをご希望の方
  • 実績が豊富な企業へお任せされたい方
  • 商品開発やリブライディングなどもお任せされたい方
  • 大阪で対面サポートをご希望の

まとめ

リブランディングの費用は、企業向けで100万円〜1,000万円以上と幅広く、依頼先や内容によって大きく異なります。

重要なポイントは以下の通りです。

実施・検討のタイミング

  • リブランディングを実施すべきタイミングは、ブランドが消費者から飽きられたタイミング(顧客サイド)または変革を起こしたいタイミング(事業者サイド)
  • リブランディングを検討すべきタイミングは、ブランドが上り調子で調子が良い時

成功させる3つのポイント

  1. 手段から入らずに目的から入る(失敗の9割は手段から考えること)
  2. 大胆に変える(自分たちが思っている数倍大きく変える)
  3. ブランドのミッションに沿ったリブランディング

リブランディングは経験したことのある人が少ない領域です。特に中小企業やベンチャー企業ではリブランディングに初挑戦な上に、リブランディング対象のブランドが売上の多くを占めるブランドである場合が多いです。

成功の鍵は、戦略的視点と実行の一貫性、そして社内外を巻き込んだプロジェクト運営にあります。目的を明確にし、データに基づいた戦略を立て、大胆に変えることで、ブランドを再び成長軌道に乗せることができます。

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特典⑤:新規事業の立ち上げのプロセス
特典⑥:マーケティング成功事例6選

特典⑦:売れるブランドの創り方

また、ECサイトのマーケティングについては下記のyoutubeで詳しく解説しているので ぜひご覧ください。

Venture Ocean

<この記事の編集・運営者>
株式会社 Venture Ocean

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