ブランディングで得られる効果をブランディングのプロが解説!

著者:佐々木 理人
JT、株式会社I-neを経て、株式会社Venture Oceanを創業。
株式会社I-neで新規立ち上げした「YOLU」は1年で売上70億、ドラッグストアのシリーズ別シェアNo.1になる。
市場調査、コンセプト策定、新規事業立上げが得意。
ブランディングは、「売上が伸び悩む」「市場での差別化がうまくいかない」といったとき有効な活動の一つです。
多くの企業は事業拡大に悩んだときに、広告費の増額や新規チャネル開拓を検討します。しかし、ブランディングが弱い状態では、一時的に売上を改善できても、本質的な解決には繋がりません。
この記事では、ブランディングによって得られる効果からブランディングが必要な企業の特徴、効果を出すために必要なステップなどを解説します。ブランディングに取り組む際の注意点も紹介するため、効果を期待できるブランディングにチャレンジしたい方は、参考にしてください。
目次
【おさらい】ブランディングとは?
ブランディングとは、企業が市場のなかで選ばれ続けるために、認知・信頼・提供価値を一貫して設計して伝え続ける活動です。
単なるイメージ作りではなく、誰にどんな価値を届けるのかを明確にすることが求められます。企業の価値を伝えるメッセージを商品やWebサイト、SNSや営業資料などすべての接点で統一することがブランディングでは重要です。
ブランディングを通じて市場で認知を広げられれば、単価や継続率、指名検索数といった具体的な指標に変化が現れます。印象のみの話ではなく、ブランディングは売上や利益構造に影響を与える設計といえます。
ブランディングによって得られる効果
ブランディングの効果は抽象的に語られることが多いものの、実際には売上や利益、マーケティング効率に直結します。特に次の6点において、ブランディングによる効果が期待できます。
- 価格競争を回避しやすくなる
- LTV(顧客生涯価値)が向上する
- マーケティングコストを低減できる
- 新規事業を展開しやすくなる
- 資金調達しやすくなる
- アライアンス機会が増えやすくなる
ここでは、企業経営に与える代表的な効果を整理します。
価格競争を回避しやすくなる
ブランディングに力を入れることで、競合他社との価格競争を回避しやすくなります。
ブランドが整っていない企業は、顧客が商品サービスを比較するフェーズに入ったときに価格や条件で判断されやすくなります。差別化要素が明確でない場合、顧客は最もわかりやすい価格をもとに商品・サービスを選ぶことが一般的です。その結果、値引きやキャンペーンに依存し、利益率が下がります。
例えば美容業界では、世界観やコンセプトが弱い商品は価格帯で並べられやすくなります。D2Cでは、機能差だけで訴求すると代替商品と比較されやすくなるケースが珍しくありません。BtoBサービスの場合は、提供価値が曖昧だと相見積もりになりやすくなります。
一方で、ブランド価値が確立されると、比較ではなく指名で選ばれる状態が生まれます。価格以外の理由で選ばれる状態を作るのが、ブランディングの本質です。
LTV(顧客生涯価値)が向上する
LTV(顧客生涯価値)が向上する点も、ブランディングによって得られる効果の一つです。LTVとは、顧客が商品・サービスを使い始めてから使い終えるまでに自社へもたらす収益のことです。ブランドに共感した顧客は価格だけで判断せず、継続的に商品・サービスを利用する傾向があります。
ブランディングを通じて「その企業から購入したい」と思われる状況を作ることでリピート率が向上し、クロスセルやアップセルなどに繋がりやすくなります。顧客単価と継続期間が伸びれば、LTVを高めることが可能です。
LTVが向上すると、広告費をかけた際の回収スピードが改善できるほか、成長戦略を描きやすくなります。
マーケティングコストを低減できる
ブランドが浸透すると、広告以外の集客経路が強くなります。代表的なのが指名検索の増加です。企業名や商品名で検索される割合が増えると、広告依存度を下げられます。
また、ブランドの方向性が明確になるとSNSの発信に一貫性が生まれ、投稿への反応率が上がるほか、フォロワーの質も安定します。既存顧客からの紹介や口コミも生まれやすくなるでしょう。
ブランドが市場に浸透することで、すべてCPAの改善に繋がります。ブランドがある企業ほど集客効率が高まり、同じ広告費でもより多くの成果を得られる傾向です。
新規事業を展開しやすくなる
ブランドが確立している企業は、新しい商品やサービスを立ち上げる際に有利になります。既存顧客や市場からの信頼があるため、初期の認知獲得がスムーズになります。
ブランドの方向性が明確であれば、新規事業もその延長線上で設計が可能です。例えば、ダイソンは掃除機市場でブランディングを行い、ほかの家電製品市場へ参入することに成功しています。結果として、顧客にとって理解しやすく、受け入れられやすい展開を実現しました。
ブランディングを通じて、立ち上げ初期の広告投資や説明コストを抑えながら、新たな売上の柱を作りやすくなる点は、成長期の企業にとって大きなメリットです。
資金調達しやすくなる
企業ブランドは、投資家や金融機関からの評価にも影響を与える要素の一つです。事業の方向性や市場での立ち位置が明確な企業は、将来像を説明しやすくなります。
ブランドが整理されている企業は、単なる売上規模だけでなく、独自性や成長戦略が明確です。その結果、信頼性が高まり、資金調達の場面でプラスに働く可能性があります。これは副次的な効果ですが、長期的な経営基盤を考えるうえで無視できない要素です。
アライアンス機会が増えやすくなる
ブランドを確立した企業は他社から見ても、何をしている企業なのかがわかりやすい存在になります。何を強みとし、どの市場で価値を発揮しているかが明確になるため、他社から見て協業するイメージが湧きやすくなります。
共同企画や業務提携、卸展開などの話は、信頼が前提となります。「何をやっているのか」「どういった方向性で事業を伸ばしているのか」が不明確な企業とは、提携しにくいと考える経営者がほとんどです。
ブランディングを通じて企業の価値が広がれば、単独では実現できない成長機会が得られ、事業の選択肢が増えていきます。
ブランディングが必要な企業の特徴
ブランディングはどの企業にも必要な戦略の一つですが、特に下記の特徴が見られる場合は早めに取り入れたほうがよいでしょう。
- 競合との差別化に悩んでいる
- SNSやWebサイトが伸び悩んでいる
特定の課題が続いている場合、ブランディングが機能していない恐れがあります。ここからは、ブランディングが必要な企業の特徴について詳しく解説します。
競合との差別化に悩んでいる
市場に似た商品やサービスが増えるほど、違いは伝わりにくくなります。強みが明確に言語化されていない企業は、価格や条件だけで比較されやすくなります。価格勝負になる状態が続くと、値引き対応が常態化し、利益率が下がることは避けられません。
また、営業担当や広告クリエイティブごとに訴求が異なると、企業の印象は分散してブランディングが機能しなくなります。結果として「何が強みなのか分からない会社」という認識だけが先行します。
ブランド設計を見直すと、誰にどの価値を届けるのかを明確にすることが可能です。競合と戦う土俵そのものを変えることができれば、価格ではなく価値で選ばれる機会が増えます。差別化に悩んでいる場合は、ブランディングを通じて誰に何を届けるのかを明確にすることが重要です。
SNSやWebサイトが伸び悩んでいる
投稿や更新を続けているにもかかわらず、SNSやWebサイトの反応が安定しない場合、発信の軸が定まっていない可能性があります。テーマが都度変わり、ターゲットが曖昧なままでは、フォロワーにとっての一貫したブランディングができません。
ブランドの方向性が整理されていないと、SNSやWebサイト、広告のトーンが揃わず、接触回数を重ねても市場に印象が残りにくくなります。世の中に自社の取り組みが浸透しないのは、SNSやWebサイトを運用するスキルだけでなく、上流設計に問題がある可能性が高いです。
発信の成果が伸び悩む場合、コンテンツ量を増やす前に、ブランドの軸を再確認することが重要です。方向性が明確になると、メッセージに統一感が生まれ、反応の質が変わるケースがあります。
効果を出すブランディングを実施する手順
ブランディングは感覚で進めるものではありません。段階的に整理し、検証を重ねながら構築することが重要です。効果を出すためには、下記の手順でブランディングを進めることをおすすめします。
- 現状把握をする
- 自社ブランドを定義する
- ブランドを浸透させる計画を立てる
- ブランディング戦略を実践して効果測定をする
- 必要に応じてリブランディングする
ここからは、各パートで何をすべきかについて詳しく解説します。
現状把握をする
最初に行うべきことは、自社の現在地を正確に把握することです。どのような顧客に選ばれているのかをデータや受注履歴から整理します。売上構成やリピート状況を確認することで、実際の支持層や自社らしさが見えてきます。
次に、競合との比較を行いましょう。自社と他社の価格帯や提供価値、メッセージの違いを客観的に整理することで、強みと弱みが明確になります。なお、自社・競合を知る際は、下記のフレームワークを使用することがおすすめです。
| 3C分析 |
| Customer(顧客・市場)・Company(自社)・Competitor(競合)の3つを分析することで、市場理解を進めるフレームワークです。 |
| SWOT分析 |
| Strength(強み)・Weakness(弱み)・Opportunity(機会)・Threat(脅威)の言葉から成るフレームワークで、内部環境と外部環境から自社の強みと弱みを明確にしたいときに活用できます。 |
| PEST分析 |
| Politics(政治)・Economy(経済)・Society(社会)・Technology(技術)の頭文字を取っており、外部環境を分析する際に適したフレームワークです。 |
さらに、WebサイトやSNSが与えている印象も確認することが欠かせません。意図したメッセージが伝わっているかを第三者視点で検証することが重要です。
特定の部署のメンバーのみで判断すると偏った解釈になる恐れがあるため、複数のメンバーで意見交換することが大切です。必要に応じて、ブランディング支援に強みを持つ企業の力を借りることで、課題を具体化しやすくなります。
自社ブランドを定義する
現状を把握したあとは、自社のブランドを明確に言語化します。自社ブランドを定義する際は、最も価値を届けたいターゲットは誰なのかを定めることが重要です。そのうえで、ターゲットにしたい顧客が抱える課題と、自社が提供できる独自の価値を整理します。
また、競合との違いを明確にし、自社が市場でどのポジショニングを目指すのかを決めることも大切です。自社が目指す立ち位置が曖昧な状態では、施策にブレが生じます。
ブランドを定義するときは、単にスローガンを作成するだけでは意味がありません。事業計画を踏まえながら、「誰に」「何を」「どのように届けるのか」を具体的に言語化することが求められます。
ブランドを浸透させる計画を立てる
ブランドの方向性が決まってからは、社内外にどのように浸透させるかを設計します。SNSやWebサイト、営業資料などで一貫したメッセージを発信することが重要です。「〇〇といえば××」というイメージを顧客に持ってもらえるように、接触回数を増やしたり発信を継続的に行ったりする必要があります。
ブランディングを進めるうえで大切なのは、どの媒体で何のテーマを発信するのか、どの指標を見て改善するのかを事前に決めることです。計画が曖昧なままでは、途中で方向性が揺らぎやすくなります。
ブランディング戦略を実践して効果測定をする
計画を実行したあとは、成果を数値で確認します。指名検索数の変化は、ブランド認知の高まりを示す指標の一つです。WebサイトのCV率や顧客単価の推移も重要な判断材料になります。
また、リピート率の変化を見ることで、顧客との関係性が強化されているのかを把握することが可能です。複数の指標を定点観測し、施策との関連性を検証します。結果をもとに、メッセージやチャネル配分を調整することが重要です。
ブランディングは一度の実行で完成するものではありません。改善を重ねることで、効果が積み上がります。
必要に応じてリブランディングする
市場環境や事業内容が変化すれば、ブランドも見直す必要があります。ターゲット層を変えたいときや新規事業を始めるタイミングは、ブランドを再設計することがおすすめです。
例えば、ブランディング戦略を実践して当初想定していた顧客像と実際の顧客がずれている場合、メッセージを調整する必要があります。顧客のニーズが変化した際も、自社の立ち位置を再定義することが大切です。
ブランドは時代とともに変化するものです。定期的に振り返り、現状に適した形へ更新することで、長期的な効果を維持しやすくなります。なお、リブランディングに関する詳しい情報は、下記の記事をチェックしてください。
ブランディングに取り組む際の注意点
ブランディングは売上や利益に影響する重要な取り組みですが、進め方を誤ると期待した成果を得られません。これからブランディングに力を入れる企業は、次のポイントへ特に注意しましょう。
- KPIが曖昧にならないようにする
- 顧客視点が欠落しないようにする
- 効果を実感できるまでに時間がかかる
ロゴやデザインを刷新しても、事業戦略と結びついていなければ効果は弱まります。反対に、設計段階で目的や指標を整理しておけば、取り組んだブランディング戦略が積み上がるでしょう。
ここからは、ブランディングに取り組む際の注意点を詳しく解説します。
KPIが曖昧にならないようにする
「ブランディングは効果が見えにくい」といわれるものの、何も測れない施策ではありません。
例えば、指名検索数の推移は認知の広がりを示す指標になります。WebサイトのCV率は、メッセージの納得度を測る材料になります。ブランドへの信頼度は、顧客単価やリピート率で判断することが可能です。
KPIを設定せずにブランディングを進めると、社内での評価基準が曖昧になります。成果が見えないといった判断になり、途中で施策が止まる恐れがあります。KPIが曖昧で施策が中断するケースは実際に多く、設計不足が原因です。
取り組みを開始する前に追う指標を定め、どの期間で変化を確認するのかを整理する必要があります。ブランディングは感覚的に進めず、マーケティングの一環として数値と向き合う姿勢が欠かせません。
顧客視点が欠落しないようにする
ブランドを作る際は、企業の理念や想いを整理することが重要です。しかし、自社への理解度を深めるだけでは十分といえません。顧客にとってわかりやすく、共感できる形でブランディングできていなければ、メッセージは届きにくくなるでしょう。
例えば、専門用語が多すぎる発信や、ターゲットが曖昧なコンセプトで制作した販促物は、意図せず距離を生みます。
常に「顧客からどう見えるか」という視点を持ちながら、自社ブランドを確認することが重要です。ユーザーインタビューやアンケートを取り入れながら、発信する内容やクリエイティブの表現を調整することでブランドは機能します。
効果を実感できるまでに時間がかかる
ブランディングは、広告のように短期間で成果を可視化できる施策ではありません。認知や信頼は接触回数を重ねながら段階的に形成されるものです。計画を実行したからといっても、数週間で売上が急増することは稀であることを知っておきましょう。
初期段階では、指名検索や問い合わせ内容の質に変化が見られることがあります。そこから徐々に単価や継続率に変化が見られることが一般的です。「〇か月取り組めば成果に繋がる」とは一概にいえないものの、クリエイティブや発信を通じてブランドが市場に伝わるまでには半年から数年以上かかるケースがほとんどです。
とはいえ、ブランディングに成功すれば、広告費を削っても市場で選ばれる企業へ成長できます。中長期的な視点で計画して定期的に振り返りながら改善を重ねることが、ブランディングには求められます。
ブランディングの成功事例
株式会社Venture Oceanでは、これまでにさまざまな業界のブランディング支援に携わってきました。下記は、ブランディングによって売上改善に繋がった成功事例の一部です。
- 既存のコンセプトに対して購入意向117%のコンセプトを作成
- 既存ブランドよりもターゲットの若いサブブランドをローンチ
以下では、成功事例について詳しく解説します。
既存のコンセプトに対して購入意向117%のコンセプトを作成
家電ブランド様の例では、参入している市場を分析した結果、ベンチマークしていた競合の売上規模が、想定よりも小さいことが判明しました。そこで、弊社ではクライアントに対して大きな市場・競合を設定する提案をしました。
支援時には訴求点の洗い出しに注力し、市場・競合に対して強弱を変えたコンセプトを打ち出した結果、既存のコンセプトに対して購入意欲117%を実現しました。
コンセプトが明確になると、広告やLPの訴求も一貫します。ブランド設計の精度が、マーケティング成果に直接影響することを示す事例です。
既存ブランドよりもターゲットの若いサブブランドをローンチ
このクライアントから受けた相談は「既存ブランドは一定の顧客層に支持されていたものの、若年層へ広がらない」といった内容です。
そこで、リブランディングで変えるべきことと、変えなくてよい部分を洗い出し、新しくなった点を印象付けるパッケージ制作を提案しました。あわせて、原価で下げられる部分や収益性を改善できる販売方法を打ち出し、既存ブランドよりも若いターゲット向けのサブブランドを立ち上げることに成功しました。
ブランドを分ける戦略は、既存顧客との競合を避けながら市場を拡張する手段となります。ターゲットに合わせたブランド設計が、事業成長を後押しする事例です。
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まとめ
ブランディングは価格競争の回避、LTVの向上、集客効率の改善など、企業の売上構造そのものに影響を与える取り組みです。単なるイメージ戦略ではなく、適切なKPIを設定することで機能するマーケティング戦略の一つとなります。
特に、競合との差別化に悩んでいる企業やSNSやWebサイトが伸び悩んでいる企業は、ブランディングに力を入れるタイミングかもしれません。
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<この記事の編集・運営者>
株式会社 Venture Ocean
