定性調査にかかる費用や内訳、費用を抑えるポイントを元事業会社マーケターが解説!

市場調査

著者:佐々木 理人 
JT、株式会社I-neを経て、株式会社Venture Oceanを創業。
株式会社I-neで新規立ち上げした「YOLU」は1年で売上70億、ドラッグストアのシリーズ別シェアNo.1になる。
市場調査、コンセプト策定、新規事業立上げが得意。

「定性調査をやってみたいけれど、インタビューにはいくらかかる?」
「デプスインタビューとグループインタビューでは、どちらのほうが高い?」
「調査会社へ全部任せると高そうなので、できるだけ費用を抑えたい」

定性調査の費用を調べると、数十万円という会社もあれば、100万円を超える見積もりが出てくることもあります。
金額に幅があるのは、インタビューそのものだけでなく、対象者のリクルーティング、調査設計、モデレーション、謝礼、分析まで、どこまで依頼するかで費用が大きく変わるためです。

定性調査の費用を比較するときは「1回いくら」だけを見るのではなく、対象者を何人集めるのか、誰がインタビューを行うのか、分析まで含まれているのかを確認することが重要です。
同じN=5のインタビューでも、自社で対象者を用意できる場合と、条件の厳しい対象者を調査会社に集めてもらう場合では総額が大きく変わります。

本記事では、元事業会社マーケターの視点から、定性調査の費用相場、主な内訳、費用が高くなるポイント、費用を抑える方法まで解説します。

定性調査にかかる費用相場

定性調査の費用は、調査手法によって異なります。
Venture Oceanの市場調査費用の記事では、デプスインタビュー80万円〜、グループインタビュー100万円〜、会場テスト300万円〜、ミステリーショッパー50万円〜を目安として紹介しています。

ただし、これは調査会社へリクルーティングや実査、分析まで広く依頼するケースを想定した相場で、必要な工程だけを外注すれば費用を抑えることも可能です。

デプスインタビュー:80万円〜

デプスインタビューは、対象者と1対1で話しながら、購入理由や行動の背景、本人も言語化できていないニーズまで掘り下げる調査です。

費用には、調査設計、対象者リクルーティング、モデレーター、対象者謝礼、録画・文字起こし、分析レポートなどが含まれることがあります。

対象者条件が細かいほどリクルーティング費が高くなり、インタビュー人数を増やすほど謝礼や実査工数も増えます。

グループインタビュー:100万円〜

グループインタビューは、複数人を同じ場に集め、モデレーターがテーマに沿って意見を引き出す方法です。

参加者の募集費・謝礼に加えて、会場費、モデレーター費、録画設備、分析費などが発生します。

年代や利用経験などで複数グループに分けて比較する場合は、その分だけ実査回数が増えるため総額も大きくなります。

会場テスト:300万円〜

食品や化粧品などを実際に試してもらい、その場で評価を集める調査です。

対象者募集だけでなく、会場、商品準備、運営スタッフ、テスト設計などが必要になるため、インタビュー調査より高額になりやすい傾向があります。

試作品の比較や使用感の確認など、実際に商品を体験してもらう必要がある場合に向いています。

ミステリーショッパー:50万円〜

調査員が一般客として店舗やサービスを利用し、接客・売り場・サービス品質などを評価する手法です。

調査店舗数や評価項目、レポートの詳細度によって費用は変わります。

N1インタビューなら10万円〜実施できるケースもある

大規模な定性調査だけでなく、まず1人の顧客を深く理解するN1インタビューから始める方法もあります。

Venture OceanのN1インタビュー記事では、ミニマムサポート10万円(N=1)、ミドルサポート20万円(N=3)、フルサポート50万円(N=10)の料金例が公開されています。

いきなり多人数へ調査するのではなく、まず少人数から仮説を作り、その後必要に応じて対象者を増やすことで、調査費を抑えながら深い示唆を得ることもできます。

ミニマムサポート:10万円

N=1を想定したプランです。
まず1人の顧客を深掘りし、購入理由や商品との出会い、利用前後の変化などを理解したい場合に向いています。

ミドルサポート:20万円

N=3を想定したプランです。
複数の対象者を比較しながら、共通するニーズや行動パターンを探りたい場合に利用しやすい規模です。

フルサポート:50万円

N=10を想定したプランです。
対象者の違いを比較しながら、より幅広いインサイトを整理したい場合に向いています。

定性調査の費用内訳

定性調査の見積もりは、主に「調査設計」「リクルーティング」「実査」「謝礼」「分析」の費用で構成されます。
どこまでを自社で行い、どこから調査会社へ任せるかによって、同じ調査でも費用は大きく変わります。

① 調査設計費

調査目的の整理、対象者条件、インタビューフロー、質問項目などを設計する費用です。

Venture Oceanの定性調査では、最初に調査目的を整理し、スクリーニングアンケートやインタビュー内容を設計してから実査へ進みます。

質問数を増やすことよりも、「この調査で何を判断したいのか」を絞ることが、調査精度と費用の両方に影響します。

② リクルーティング費

条件に合う対象者を探し、参加可否を確認して日程調整する費用です。

一般消費者より、特定商品の購入者、経営者、医療従事者など条件が狭い対象者のほうが募集難易度は高くなります。

自社顧客へインタビューできる場合は、外部パネルから対象者を探す費用を抑えられます。

③ モデレーター・実査費

実際にインタビューを進行するモデレーターの費用です。

定性調査では、質問を読み上げるだけではなく、回答を受けて追加質問を行い、発言の背景まで深掘りするスキルが求められます。

マーケティング課題まで理解しているモデレーターであれば、その後の施策に活きる発言を引き出しやすくなります。

④ 対象者への謝礼

インタビューへ参加してもらう対象者へ支払う謝礼です。

調査時間や対象者属性によって金額は変わり、専門性の高い対象者ほど高くなる傾向があります。

⑤ 文字起こし・分析・レポート費

インタビュー内容を文字起こしし、発言を整理・分析してレポートへまとめる費用です。

定性調査は「何を言ったか」だけでなく、「なぜその発言が出たのか」を分析する工程が重要なので、分析をどこまで依頼するかは見積もり時に確認しましょう。

定性調査の費用が高くなる4つのポイント

① 対象者の条件が細かい

条件に合う人が少ないほど、対象者を見つけるまでに多くのスクリーニングが必要になります。

「過去3か月以内に特定商品を購入した30代女性」など条件を重ねるほど、リクルーティング費は上がりやすくなります。

② インタビュー人数が多い

人数が増えると、対象者謝礼、日程調整、実査時間、文字起こし、分析工数も増えます。

必要以上にN数を増やすのではなく、まず少人数で仮説を作る方法も検討しましょう。

③ 調査時間が長い

30分と90分では、モデレーター工数だけでなく対象者への謝礼も変わります。

質問を詰め込みすぎるより、調査目的に直結するテーマへ絞ったほうが、費用だけでなく回答の質も上げやすくなります。

④ 分析・レポートの範囲が広い

発言録だけを納品する場合と、インサイト抽出・ペルソナ・カスタマージャーニー・施策提案まで依頼する場合では費用が変わります。

調査後に自社で分析できる体制があるなら、必要なアウトプットだけ依頼する方法もあります。

定性調査の費用を抑える3つのポイント

Venture Oceanの市場調査費用の記事では、費用を抑えるポイントとして「目的に適した手法・設問を選ぶ」「想定売上から逆算して予算を設定する」「調査からマーケティング施策まで一気通貫できる会社を選ぶ」の3点を挙げています。

① 調査目的に合った手法と質問だけに絞る

「とりあえずインタビューしてみる」という進め方では、質問が増えて調査時間も長くなりがちです。

まず「この調査結果を使って何を決めるのか」を決め、必要な対象者と質問だけに絞ることで無駄な調査費を減らせます。

② 自社顧客を対象者として活用する

既存顧客へ直接インタビューできる場合は、外部パネルのリクルーティング費を抑えられます。

ただし、自社顧客だけでは競合ユーザーや未購入者の意見が取れないため、目的に応じて使い分けましょう。

費用を優先して対象者を妥協すると調査自体の意味が薄れるため、「誰に聞くべきか」は削りすぎないことが重要です。

③ 少人数のN1インタビューから始める

最初から10人、20人へインタビューするのではなく、まず1〜3人程度へ聞いて仮説を整理する方法です。

少人数で仮説を作り、必要な追加調査だけを行うほうが、最初から大規模に調査するより費用対効果を高めやすくなります。

費用だけで定性調査会社を選ばないほうがよい理由

定性調査は、対象者を集めてインタビューを実施すること自体が目的ではありません。

Venture Oceanでは、元事業会社マーケターの視点から、調査結果を具体的なマーケティング施策へ落とし込むことを重視しています。

料金が安くても、調査結果を受け取った後に「結局何を変えればいいのかわからない」となれば、調査費そのものが無駄になってしまいます。

調査設計、対象者選定、インタビュー、分析、施策への落とし込みのうち、自社に足りない部分を補える会社を選びましょう。

定性調査の費用に関するよくある質問

Q1. 定性調査の費用相場はいくらですか?

Venture Oceanの市場調査費用の記事では、デプスインタビュー80万円〜、グループインタビュー100万円〜が目安として紹介されています。
ただし、対象者人数やリクルーティング、分析範囲によって大きく変わります。

Q2. N1インタビューだけならいくらかかりますか?

Venture Oceanでは、N=1のミニマムサポート10万円、N=3のミドルサポート20万円、N=10のフルサポート50万円という料金例を公開しています。
まず少人数で仮説を作りたい場合は、N1インタビューから始める方法もあります。

Q3. 定性調査の費用を抑えるにはどうすればいいですか?

調査目的を明確にして質問を絞る、自社顧客を対象者として活用する、少人数から調査を始めるといった方法があります。
ただし対象者や分析の質を削りすぎると、調査結果そのものが使えなくなるため注意が必要です。

定性調査にかかる費用や内訳のまとめ

定性調査の費用は、手法だけでなく、対象者の条件、人数、リクルーティング、実査時間、分析範囲によって大きく変わります。

デプスインタビューやグループインタビューを一式で依頼すると数十万〜100万円以上になることがありますが、少人数のN1インタビューや部分外注から始めれば費用を抑えることも可能です。

重要なのは、単純に一番安い会社を選ぶことではありません。
何を明らかにし、その結果をどの施策へ活かすのかを先に決めたうえで、必要な工程だけを依頼しましょう。

見積もりでは、リクルーティング費・対象者謝礼・モデレーター費・文字起こし・分析費まで含めた総額を確認しておくことをおすすめします。

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著者情報

佐々木 理人

株式会社Venture Ocean CEO

JT⇒株式会社I-ne⇒株式会社Venture Oceanを創業。
株式会社I-neで新規立ち上げしたブランド「YOLU」は
1年で売上70億、ドラッグストアのシリーズ別シェアNo.1になる。
過去3桁の市場調査の実施や数多の新規事業立ち上げに従事。
市場調査、コンセプト策定、新規事業立ち上げ、広告戦略策定が得意。

Venture Ocean

<この記事の編集・運営者>
株式会社 Venture Ocean

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