こんにちは、佐々木です。
本日は月見バーガーのマーケティングについて話していきたいと思います。
秋の風物詩となった月見バーガーですが、実はマーケティング的には非常に優れた施策なんです。

今回はそんな月見バーガーのマーケティングにおける優れた点を解説していきたいと思います。

月見バーガーの歴史

https://www.mcdonalds.co.jp/

月見バーガーの発祥とも言えるのが日本マクドナルドです。日本マクドナルドの公式サイトによると、1991年から秋の限定商品として登場し続けています。開発当時、バーガーに入っていると嬉しいと感じる人気食材を調査したところ、たまごが人気という結果が出たことで、たまごを使ったバーガーの開発が始まったそうです。全国に多くの店舗があり、販売するバーガーの数も相当量ということもあって、たまごが安定的に供給される秋に出す商品を開発する、ということが最初の開発背景だとされています。1991年当時、新製品開発の候補は年間200個以上。そこから実際に商品化されるのは5個程度だったそうなので、月見バーガーはかなりの難関を勝ち抜き、現在まで長年親しまれているハンバーガーなのです。

https://www.bil.jp/blog/details/137

月見バーガーは1991年~発売されているということで、自分が生まれる前から発売されているようです。

近年では、月見市場は拡大していて、モスバーガーも月見バーガーを発売していますし、

https://www.mos.jp/oc/tsukimi202409/

ケンタッキーも月見シリーズを発売しています。

https://www.kfc.co.jp/campaign/tsukimi-burger0829

ファストフード以外では、コメダもお月見祭をやっていますし、

https://www.komeda.co.jp/news/detail.html?cat=2&article=2930073

びっくりドンキーも月見ハンバーグを販売しています。

https://www.bikkuri-donkey.com/lp/2024_tsukimi/

このように月見市場全体を牽引しているのがマクドナルドの月見バーガーです。

月見バーガーのマーケティングの凄い点①:広告費が少なくて済む

先程見たように、月見市場は盛り上がっていますし、年々参加企業が増えてきている市場です。
ここまで大きな市場になってくると、世論も放っておくことができず、
メディアが月見市場を取り上げるようになります。

例えばオリコンニュースが下記のような記事で、各社の月見商品を比較する記事を作ったりしますし、(ちなみに先程ご紹介した月見商品はこの記事を見て知って、各社のHPに行きました)

 

https://www.oricon.co.jp/special/68797/

Nスタのようなニュース番組でも、月見市場が取り上げられています。

 

こういったメディアへの露出は基本無料で掲載されることがほとんどです。
さらにテレビなどであれば、数百万人にリーチでき、無料でこれだけの露出を稼げるのは素晴らしい施策だと思います。

また、こういったメディア露出は通常の広告よりも購買に紐づきやすいため、リーチ量以上の効果をもたらしてくれるのもメリットです。

もちろんマクドナルドは今年も月見バーガーのCMを行っていますが、PRやSNSを上手く掛け合わせて、今後は出稿量を減らしていく戦略を取ることも考えられると思います。

月見バーガーのマーケティングの凄い点②:市場のパイオニアである点

また、月見市場が広がることはマクドナルドにとって追い風です。
もちろん月見市場が広がると直接的な競合は増えますが、月見市場での第一想起は月見バーガーのはずなので、
月見商品を食べたいなと思った際にはまずマクドナルドが選ばれるのです。

このように「その市場を創ったパイオニア」の位置は基本的に崩されることがありません。
なので、月見市場が広がれば広がるほど、競合も増えますが、月見バーガーの売上の絶対量は増えるはずです。

なので、各カテゴリで新たな市場を切り開くというのは、かなり大きなメリットがあるので、ぜひとも挑戦するべきです。

過去の成功例で言えば、
クレンジングバームのDUOなどはそうですし、
CICAスキンケアのVTもそうです。
あとはiphoneもガラケー市場からケータイをタッチ式に変えたパイオニアであると言えます。

月見バーガーのマーケティングの凄い点③:原価率が良く、魅せ方が上手い

月見バーガーはバンズ+ハンバーグ+ベーコン+卵+ソースという作りです。
よくよく食材を見ると、割と定番でも使われている食材ばかりです。
(卵はエッグチーズバーガーに使えわれています。唯一、ソースとバンズはオリジナルの可能性が高いです)

他の有名な季節限定品だと、グラコロなどがありますが、あれはコロッケなので、グラコロ用に発注がいります。

なので何が言いたいかと言うと、月見バーガーの原価はそこまで高くないのです。

つまり、商品自体はそんなに特殊なものではないのですが、
秋の月見と掛けていること、
秋のみの限定商品であること
などで、特別感のある商品に仕上げているのです。

これは以前のこちらの記事でも紹介しましたが、良い商品を作ったからと言って、売れるわけではなく、
お客様に良さそうな商品と思って、トライアルしてもらって、その通り良い商品であれば売れる
のです。

商品開発のプロセスとは?失敗しないためのポイントを市場シェア1位の商品開発をしたマーケターが解説! 

その観点で、月見バーガーは原価率が良い、各パーツを見ればそんなに特殊ではないバーガーを、
マーケティングの魅せ方によって、上手く販売しているのです。
※特殊ではないと言ってますが、自分は月見バーガーとても好きです。

なので、事業者の皆さんは良い商品を作ることも大事ですが、良い魅せ方を考えるのももっと大事だと、頭に置いておく必要があります。

月見バーガーの今後のマーケティング戦略

最後に、今後の月見バーガーのマーケティング戦略を考えてみたいと思います。
現状を整理すると、下記です。
①月見市場は盛り上がってきており、メディアも取り上げてくれる状況
②月見バーガーが月見市場のパイオニア
③原価率が良く、上手に魅せられている

なので私なら、来年以降はまずは広告費を削りに行きます。
これまで、月見という市場がなかったので、自分たちで広告をかけて、需要を掘り起こさなければいけませんでした。
ただ今後は、月見市場参入者もどんどん増えていき、その中で月見バーガーはパイオニアでTOPなので、わざわざ広告費を掛けに行く必要はありません。
なので、広告費を抑えて、利益を出しにかかります。

あとはもっともっと、月見市場を盛り上げにいくことを考えます。
つまり、他の月見商品を競合にするのではなくて、月見以外の食べ物から月見へのスイッチを狙いに行くのです。

https://www.sanspo.com/pressrelease/dreamnews/KVJJXSBMHZNEXMITRLOY6OZJYM/

https://www.sanspo.com/pressrelease/dreamnews/KVJJXSBMHZNEXMITRLOY6OZJYM/

上記によると23年の月見市場は月見のレシート購入数は25%増で、
一人当たりの購入回数は1.57回だそうです。

ただ、8-10月の3か月で1日3食とすると、270回食事のチャンスがあるわけで、その名kで1.57回だとまだまだ伸長余地があると思われます。

なので、他社の月見商品と組んで、月見商品自体を食べる回数を増やしに行く戦略を取るのです。

具体のアイデアで行けば、
モスバーガーと組んで、月見対決のSNSキャンペーンを行ったり、
何社かと組んで、月見スタンプラリーを行うなどです。
※ハードルがとても高いのは重々承知しています

このように、直接的な競合と戦うばかりではなく、市場をもっと広く見て、異なる競合を設定して戦うと市場も広がりやすくなり、良いかもしれません。

まとめ

今回は月見バーガーのマーケティングについて解説しました。
まとめると、月見バーガーの凄い点は、
月見バーガーのマーケティングの凄い点①:広告費が少なくて済む
月見バーガーのマーケティングの凄い点②:市場のパイオニアである点
月見バーガーのマーケティングの凄い点③:原価率が良く、魅せ方が上手い

でした。また、今後は、
広告費を減らしながら、月見市場以外を競合として、月見市場全体を拡大しに行く戦略
を取るのが良いと考察しました。

このように、対外的に出ている情報だけでも、マーケティング戦略の優れている点や改善点を洗い出すのが私は得意ですので、
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本日は以上です。

 

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