商品開発の費用や内訳、商品開発を成功させるコツを解説!

商品開発

著者:佐々木 理人 
JT、株式会社I-neを経て、株式会社Venture Oceanを創業。
株式会社I-neで新規立ち上げした「YOLU」は1年で売上70億、ドラッグストアのシリーズ別シェアNo.1になる。
市場調査、コンセプト策定、新規事業立上げが得意。

「商品開発に取り組みたいけど、どれくらい費用がかかるのか分からない」「試作から量産までの費用感が掴めない」「限られた予算で成功させる方法が知りたい」
このような悩みを抱えている経営者や商品開発担当者の方は少なくありません。

商品開発の重要性は理解していても、いざ予算を組もうとすると「全体でいくら必要なのか」「各工程にどれくらいかかるのか」といった壁に直面するものです。

実際、商品開発費用は商品の種類や規模によって大きく異なり、小規模なら50万円程度、本格的な開発なら数百万円以上かかることも珍しくありません。失敗を避け、限られた予算で最大の成果を出すためには、各工程の費用相場と成功のコツを正しく理解することが不可欠です。

そこで本記事では、商品開発の費用相場と詳細な内訳について、2025年最新版としてわかりやすく解説します。プロセスごとの費用感から、商品開発を成功させる5つのコツまでご紹介しますので、商品開発計画の参考にしてください。

1. 商品開発の全体費用相場

商品開発にかかる費用は、開発する商品の種類や量産の規模によって大きく異なります。

全体の目安

小規模なケース: 50万円〜100万円程度

  • 既存技術の活用が中心
  • シンプルな製品構成
  • 少量ロットの生産

中規模なケース: 100万円〜300万円程度

  • 一部新規開発を含む
  • 標準的な製品開発
  • 中量ロットの生産

大規模なケース: 300万円以上

  • 完全オリジナル商品
  • 特殊な材料や加工が必要
  • 大量生産を前提とした開発

※特殊な材料を使用したり、珍しい加工を行う場合は、上記の目安よりもはるかに高いコストがかかることもあります。

2. 商品開発プロセスごとの費用相場

商品開発は複数のプロセスを経て完成します。各工程にかかる費用相場を表にまとめました。

市場調査・企画(20万円前後)

アンケートやインタビューを通じて消費者ニーズを調査し、競合商品の分析を行います。ターゲット層(年齢、性別、ライフスタイル)を明確に設定し、商品コンセプトを固めます。この段階でラフスケッチを作成し、商品の方向性を可視化します。

デザイン費(20万円~30万円)

商品本体の形状や色、パッケージのグラフィックデザインを行います。使いやすさと見た目の美しさを両立させ、ターゲット層に響くデザインを追求します。3Dレンダリングやカラーバリエーションの提案も含まれます。

試作品製作(1回あたり5万円~10万円)

モックアップやプロトタイプを製作し、実際の使用感や強度を確認します。通常3〜5回程度の試作を繰り返しながら、細部の調整や構造の最適化を行います。量産化に向けた課題を洗い出す重要なプロセスです。

設計・金型製造(50万円~200万円)

量産に必要な詳細設計図面や3D CADデータを作成し、射出成形用やプレス用の金型を製造します。商品の形状が複雑であるほど費用が高くなります。金型は一度作ると修正が困難なため、設計段階での精度が重要です。

初回製造費(規模により変動)

原材料費、加工賃、品質検査費、光熱費、梱包資材費などが含まれます。製造数量が増えるほど1個あたりの単価は下がります。例えば、100個と1,000個では単価が2〜3倍異なることもあります。

商品ネーミング(10万円前後)

ブランドイメージや商品特徴を考慮した名称を複数案作成します。商標登録の可否を特許庁データベースで調査し、インターネットドメインやSNSアカウントの取得可能性も確認します。

専門家監修(10万円前後)

医師、管理栄養士、美容研究家など、その分野の専門家に監修を依頼します。商品の安全性や成分の妥当性をチェックし、専門家の名前をパッケージに掲載することで消費者の信頼を獲得します。

販促・宣伝費(5万円~数百万円)

プレスリリース、Webサイト制作、試食会、SNS広告、インフルエンサーマーケティングなどを実施します。小規模なSNS広告は5万円程度から始められますが、テレビCMや大型イベントでは数百万円以上かかります。

パッケージ印刷(ロット数により変動)

容器、ラベル、外箱などの印刷を行います。印刷には版の作成費用が必要で、これが初期コストとなります。数千個以上の量産では単価が大幅に下がり、100個で1個100円だったものが10,000個では1個10円程度になることもあります。

3. 商品開発費用の主な内訳

商品開発費用は大きく分けて「初期投資」と「ランニングコスト」に分類されます。

初期投資

商品の売れ行きにかかわらず必要となる費用です。

  • 試作費・初回製造費: 設計費、金型製造費、初回生産にかかる費用
  • デザイン費: 商品デザイン、パッケージデザインの制作費
  • 企画費: 市場調査、コンセプト開発、企画書作成
  • 金型・治具費: 量産に必要な製造設備の初期投資

ランニングコスト

商品を一つ作るにあたって継続的に必要になる費用です。

  • 材料費: 商品の原材料コスト
  • 加工費: 製造・加工にかかる人件費や設備費
  • 光熱費: 製造時に必要なエネルギーコスト
  • パッケージ費: 容器、ラベル、外箱などの費用

その他の費用

  • 販促・宣伝費: 広告、プロモーション活動の費用
  • 市場調査費: 消費者アンケート、テストマーケティング費用
  • 人件費: 社内開発チームの人件費、外部コンサルタント費用
  • 品質管理費: 品質検査、アフターサポートにかかる費用

4. 商品開発の費用を削減する方法

限られた予算で効果的に商品開発を進めるためのポイントを解説します。

企画立案に時間をかける

スケジュールがタイトだと、急いで企画を作成し早く設計に移ろうとしがちです。しかしこれは逆効果で、変更が相次ぐことでかえって費用が上がってしまいます。
企画立案作成に時間を費やすと、その後の変更を減らすことができ、変更に伴う費用を削減できます。

既存設備・技術の活用

既存の設備を使用して生産できる商品であれば、設備投資にかかる費用の大幅な削減が可能です。
これまで用いてきた設計や部品が活用できれば、費用削減ができるとともに、企業が保有する重要な資産も活用できます。

試作とマーケティングの精度を高める

的確なマーケティングと試作を行い、企画や試作の段階で発生するロスを最小限に抑えることが重要です。
消費者ニーズを正確に把握することで、無駄な試作を減らし、コストを効率化できます。

専門工程の外注

専門性が高い工程(デザイン、マーケティングなど)を外注することで、社内人件費を削減できます。
自社の得意分野は内製し、専門性が必要な部分は外注するバランスが重要です。

5. 商品開発を成功させる5つのコツ

株式会社Venture Oceanの商品開発の成功パターンをもとに、失敗しない商品開発のコツをご紹介します。

コツ①:マーケットインから考える

商品開発でよくある失敗事例は、自分たちの感性だけで考える、自分たちのこだわりだけで商品を作ることです。

自分たちの感性やこだわりをベースに商品を作るのは大事ですが、それがお客様にきちんと受け入れられるものなのかは確認が必要です。

おすすめのアプローチ

マーケットインで考え始めて、最後はプロダクトアウトで創る

  • 基本的なニーズはマーケットイン(顧客視点)でしっかり考える
  • 細部は自分たちのこだわりを存分に出す

こうすれば、消費者のニーズは大きく外さない一方で、競合とも差別化した商品を作ることができます。マーケットインで商品開発を行うには、市場調査がマストです。

コツ②:コンセプトから考える

商品開発をする際に、いきなり試作品から作る方が大半ですが、これはおすすめではありません。

商品の売上は「新規」と「リピート」に分けられます。試作品で作る商品の中身は主にリピートに影響しますが、このリピートは新規の売上が増えないと増えません。

新規の売上を増やす鍵がコンセプトです。

その商品がどんな訴求なのか、というのが商品の新規の売上を取る上で最も大切です。商品開発で失敗しないためには、いきなり試作品を作るのではなく、コンセプトから考えるようにしましょう。

コツ③:競合を明確にする

上手く行っていない商品の9割は競合商品が決まっていないことが多いです。

「どの商品から顧客を取ってくるか」が決まっていないから、自分たち視点でのこだわりで商品を作ってしまっているのです。

競合設定のポイント

  • 自分たちが開発する商品のメインの競合を開発前に明確にする
  • 競合商品の売上規模を調べる(小さすぎると伸び悩む)
  • ある程度以上の売上の競合をターゲットにする

競合商品の売上があまりにも小さいと、競合から売上を取れても大きな売上にならずに伸び悩むことがあります。

コツ④:コンセプトが伝わるパッケージ・UIを作る

コンセプトにこだわっても、そのコンセプトが消費者に伝わらないと意味がありません
その商品やサービスを一目見て、自分たちのコンセプトが伝わるパッケージになっているかは注意すべき点です。

具体例

  • 美白の化粧水なのにパッケージが真っ黒 → 違和感
  • 女性向けと謳っているのにサイトTOPが男性の画像 → 違和感

コンセプトとデザイン・UIにズレが発生しないように、細心の注意を払ってディレクションしましょう。

コツ⑤:RTBを訴求する

RTBは非常に重要で、そのコンセプトの信頼度は全く変わってきます。また、コンセプトの訴求内容は差別化が難しいですが、RTBは他社との差別化が比較的しやすい領域です。

コンセプトの信頼度や他社との差別性の観点で、RTBは必ず必要になるので、商品開発の段階からしっかりと意識しましょう。

6. 商品開発支援をお探しなら株式会社Venture Oceanがおすすめ

商品開発で確実に成果を出したい方、市場シェアNo.1を目指したい方には、株式会社Venture Oceanがおすすめです。

株式会社Venture Oceanの特徴

  • 元事業会社の事業責任者がブランディング戦略から支援
  • ブランディングのプロとマーケティングのプロのタッグでブランディング支援
  • 調査に基づく、客観的なブランディング

項目内容
会社名株式会社Venture Ocean
サービス・D2Cブランドの立ち上げ支援
・市場分析・競合調査
・コンセプト設計
・卸展開支援
・広告戦略
主な実績「YOLU」は1年で売上70億円を達成し、ドラッグストア市場でシリーズ別シェアNo.1を獲得。D2C未経験のクライアント様の健康食品ブランド立ち上げを全工程で支援し、競合商品に対して購入意向140%のコンセプトを創出。また、ECモール中心のD2Cブランドの卸展開を包括支援し、月商3.5倍、数千万円プラスの売上拡大を実現
所在地大阪府堺市
公式サイトhttps://venture-ocean.com/

こんな方におすすめ:

  • 元事業会社マーケターにブランディング戦略の策定から依頼をしたい方
  • ブランディングとマーケティングを上手く組み合わせて売上を伸ばしたい方
  • 感覚ではなく、調査などの客観的な指標に基づきながらブランディングを行いたい方

まとめ

商品開発の費用は、小規模なら50万円程度、本格的な開発なら数百万円以上と、商品の種類や規模によって大きく異なります。全体予算を把握するとともに、各プロセスごとの費用相場を理解しておくことが重要です。

費用を削減するには、企画立案に時間をかけて後工程の変更を減らす、既存設備や技術を活用する、試作とマーケティングの精度を高めることがポイントです。

そして商品開発を成功させるには、以下の5つのコツを押さえましょう。

  1. マーケットインから考える: 顧客ニーズを把握しつつ、自社のこだわりで差別化
  2. コンセプトから考える: 試作より先にコンセプトを固める
  3. 競合を明確にする: どの商品から顧客を取るか明確化
  4. コンセプトが伝わるパッケージを作る: 一目で伝わるデザイン
  5. RTBを訴求する: コンセプトの信頼度を高める根拠を示す

これらのポイントを意識することで、大きな失敗を防ぎ、市場で成功する商品を開発できるでしょう。

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特典③:良いコンセプトを作るチェックポイント
特典④:コンセプト作成のフレームワーク
特典⑤:新規事業の立ち上げのプロセス
特典⑥:マーケティング成功事例6選

特典⑦:売れるブランドの創り方

また、商品開発については下記のyoutubeで詳しく解説しておりますので、ぜひご覧ください。

Venture Ocean

<この記事の編集・運営者>
株式会社 Venture Ocean

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