顧客満足度調査を行う際の注意点や分析について解説!

市場調査

こんにちは、佐々木です。
今回はXで最近話題の顧客満足度調査について解説したいと思います。

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顧客満足度調査 話題のツイート

顧客満足度調査において、話題のツイートはこちらの松本健太郎さんと言う方のツイートです。

数十年前、あるSaaSサービスで「お客様満足度」を追ってたのですが、数年分の売上データから生存時間解析を行ったら「満足しても解約するし、満足しなくても使用料が増える」という残酷な事実を発見したことがあります。もっと言えば、満足度の向上が売上を押し上げる直接効果がほぼ無く(1番効果があったのは広告宣伝費だった)、「えっ、じゃあなんで満足度を追うの?」と思ったものです。

https://twitter.com/matsuken0716/status/1830435210930061424

この内容は多くのマーケターに衝撃を与えたと思います。
今回はこの満足度調査に関する私なりの考察と、
この松本さんのツイートに対する私の考えをお話したいと思います。

顧客満足度調査の検討観点①:サービスに競合はいるのか

マーケター側が満足度を高めたい理由は、
「自社商品に不満足であれば、他社商品に乗り換えられる」
という考えがあるのが基本だと思います。

ただ、そもそもに、同カテゴリに競合がいなければ、この仮説は成り立ちません。
なので、同じカテゴリに競合がいない商品はどれだけ不満であろうと、自社から乗り換えられるリスクはありません。

また、もっと言うと、「消費者の頭の中に自社の競合がいるかどうか」が大切です。
仮に自社の競合が市場にいたとしても、自社のユーザーがその競合のことを知らなければ、競合はいない状態と同じです。

また、自分たちがその競合を競合だと考えていても、消費者側での認識が競合でなければ、乗換えられるリスクはないのです。

なので、スイッチが起こるリスクを考える際には、
①自社商品に競合はいるのか
②顧客は自社商品の競合を競合と考えているか
③顧客は競合のことを知っているか

この3つを満たして初めてスイッチングリスクが発生すると思われます。

例えば、電車を考えてみましょう。
例えば自分の家から徒歩圏内に駅が1つしかなければ、どれだけ満足度に不満があろうともその電車を使い続けると思います。

また、その電車を運行する会社が自家用車で顧客が通勤するのを恐れて、競合認定しているとします。
ただ、顧客の勤務先近辺には駐車場がないとします。
そうすると、電車の会社は自家用車を競合と捉えますが、顧客側は競合とは捉えていないのです。
また、実は近くのバス停から勤務先までのバスが出ていたとします。
ただそのバス停が凄く分かりにくい所にあるとすると、顧客は競合の存在に気付かないので、これもまたスイッチングリスクはあまりないです。

顧客満足度調査の検討観点②:サービスの必要度を考える

競合へのスイッチングもそうですが、そもそもそのカテゴリの商品自体を使わなくなるリスクもあります。

例えば、勤怠管理システムや給与のシステムなどであれば、毎日、毎月の事ですし、お金が絡むので、サービスの必要性は高いと思います。
一方で、人事の評価システムなどは、数か月に1回の使用ですし、最悪エクセルなどの管理で人数によってはできてしまいます。

なので、そもそも必要度が低いカテゴリの商品であれば、どれだけ商品に満足していても、使用しなくなるリスクはあるのです。

なので、自社が提供しているサービスの必要度合いを理解しておくことが大切ですし、満足度を調査するなら、サービスの必要度の設問も設けておくべきだと思います。

顧客満足度調査の検討観点③:サービス使用者と購買意思決定者が違う

Saasなどは特にそうですが、サービスの使用者は一担当者でも、決裁するのは社長、などのパターンがあると思います。
この場合は、担当者がどれだけ満足していても、先ほどの「必要性」が社長に受け入れられなければ、解約されてしまいます。

あと他には日用品なども、男性ターゲットの商品で、使用者の男性の評価が高かったとします。
ただ実際に買い物に行って購買の意思決定をしているのが、奥さんだった場合には、男性の評価よりも購買する際の奥さんに「満足して」買ってもらえることが重要だったりもします。

このように、サービス・プロダクトの使用者と購買意思決定者が異なる場合が結構あるので、ここも注意が必要なポイントです。

顧客満足度調査は必要ないのか

そして冒頭の松本さんのツイートに戻るのですが、自分はこのツイート内容にすごく同意します。

まず大きなマーケティングの考え方として、
新規顧客増 > 既存顧客のLTV増
というのが自分の考えです。

高級ブランド品のように特定の層が異常なリピートを産むカテゴリは違いますが、基本的には新規顧客を獲得することがマーケティングにおいては最も重要です。
なぜなら、人間は必ず飽きるからです。
どれだけカレーが好きでも365日毎日カレーを食べる人がいないように、人間は飽きる生き物なので、常に新規顧客を探し続けるのが大切です。
その観点で、広告費と売上に相関がある、というのはとても納得のいくデータです。

なので、基本的には満足度を変えに行こうとするというよりかは、いかに多くの人に認知してもらうか、にフォーカスする方がマーケティング全体の観点では正しいです。

また、満足度調査をするのであれば、サービスやプロダクトを完成させる前が鉄則です。
なぜなら一度不満に思った商品に対して顧客が戻ってくることはありません。
なので、一度ローンチしたサービスやプロダクトの改善をしたところで、過去の顧客は基本的に返ってきません。
なので、サービスやプロダクトを完成させる前に満足度調査を実施して、最大限の改善を加えておくのが鉄則です。
もしローンチの前が難しいのであれば、大規模に広告をかける前に満足度調査をしてプロダクトの改善をしておくのがオススメです。

また、顧客満足度調査は外注で調査するのがオススメです。
市場調査のオススメコンサル会社はこちらで解説していますので、併せてご覧ください。
【2025年最新】市場調査コンサル会社おすすめ10選!会社の役割と選び方も解説

まとめ

今回は最近マーケ界隈で話題の満足度調査について解説しました。
まとめると、満足度調査について注意すべき点は下記の3点です。
検討観点①:サービスに競合はいるのか
検討観点②:サービスの必要度を考える
検討観点③:サービス使用者と購買意思決定者が違う

また、顧客満足度調査は商品のローンチ前にこそしっかり行うべき
というお話をさせて頂きました。

とはいえ現状のプロダクトを大きく改善してリニューアルしたい、などの場合には現行商品の満足度を取っておくのも大切です。
そんな場合にはぜひ弊社に調査のご依頼を頂ければと思います。
今回話したように、実際のマーケティングに繋がる調査提案ができます。

また満足度調査以外のコンセプトテストやN1インタビューも受けておりますので、そういった調査をご希望の方もぜひご相談くださいませ。

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著者情報

佐々木 理人

株式会社Venture Ocean CEO

JT⇒株式会社I-ne⇒株式会社Venture Oceanを創業。
株式会社I-neで新規立ち上げしたブランド「YOLU」は
1年で売上70億、ドラッグストアのシリーズ別シェアNo.1になる。
過去3桁の市場調査の実施や数多の新規事業立ち上げに従事。
市場調査、コンセプト策定、新規事業立ち上げ、広告戦略策定が得意。

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