はじめに
こんにちは、佐々木です。
今回は事業会社のマーケターに向けて、外注の代理店のマネジメント方法についてお話したいと思います。
元々事業会社にいて、代理店に発注する立場だった経験と、
今現在発注してもらう立場の経験の両方を踏まえ、
事業会社、代理店の両者にとって結果が出る関係性の築き方のポイントについて今回は解説していきます。
前提なのですが、外注がイケてないとマーケターは言いがちです。
ただ、そう言っている時に本当にイケてないのは自分たち側だったりすることも多いです。
なのでこの動画を最後まで見て頂いて、自分たちの外注代理店のマネジメントが正しいのかをご確認いただければと思います。
外注マネジメントのポイント
①プロジェクトの目的・外注先について社内ですり合わせる
一番に来ていますが、これが最も大切なポイントかもしれません。
外注マネジメントでよくあるのが、社内で意見が割れてしまって、AさんとBさんのFBがバラバラで、代理店側が困ってしまうという例です。
これはプロジェクトの担当ベースでも起こりますし、プロジェクトを上申するときに、上司から棄却されることもあります。
特に上申で上司からちゃぶ台返しを食らってしまうと、今まで作ったものを1から作り直す羽目になるので、社内連携を事前に済ませておく、というのはマーケターにとって重要な役目です。
特にどんな目的で今回は外注するのか、候補の外注の選定基準は何なのか、などを関係者と合意を取っておく必要があります。
ここをしっかりやっておかないと、提出物がイケてないの以前に、制作物や運用などのスタートラインにすら立てないことがあるので、注意が必要です。
②必要項目を満たすオリエン資料を作成する
二つ目に重要なのは、オリエン資料の作成です。
必要要素は下記の4つです。
①プロジェクトの目的
②予算
③提案期日
④ベンチマークやイメージなどの例や自分たちの過去事例
②と③はどこの企業さんでも大体しっかりと準備してありますが、
①は曖昧だったり、④はない事が多いです。
プロジェクトの目的に関しては、例えばパッケージデザインをお願いするときに、「ブランド前年比120%を達成する」みたいな書きぶりの目的になっていることが多いです。
ただ、これはプロジェクト全体の目的であって、この外注さんに切り出す部分の目的ではありません。
この場合、正しくは、「既存パッケージよりも120%高い購入意向のパッケージをデザインする」などでしょう。
※ちなみにデザインだけで120%の達成は普通に考えると難しくて、それ以外の要素とどう組み合わせて120%に到達させるかのプランを組むのはマーケターの仕事です。
またクリエイティブ作成を依頼する場合には、必ずベンチマークや、イメージの例を添えましょう。
そしてこの例は複数必要です。
なぜなら、自分たちがベンチで真似して欲しい要素を、代理店側に理解してもらう必要があるからです。
例えば自分がカフェを作るとなった場合に、「スタバみたいにオシャレにしてほしい!」と依頼したとします。
しかしスタバのオシャレの構成要素はたくさんあります。
そのオシャレの要素は壁紙のデザインかもしれませんし、家具かもしれません。またはディスプレイの棚と並んでいる商品かもしれませんし、ロゴかもしれません。
このように、オシャレを構成する要素はたくさんあるので、複数ベンチを出して、自分たちが優先したい要素を言語化してください。
上手な代理店であれば、ここを引き出すのが上手いですが、そうでない場合も多いので、できるだけ自分たちでオリエンの解像度を上げましょう。
※ちなみにこれは代理店さん側からも使えるテクニックです。
クライアントの真の要望を掴み切るために、オリエンの段階でベンチを複数聞いて、共通する要素を言語化してしっかりと確認しておきましょう。
③コンペの際には関係者を集めて、点数化。協議し、議事録を残す
こうしてオリエンをして、複数社から1社を選ぶのにオリエンをすることがあると思います。
この時に大事なのは、関係者をなるべく集めて「協議する」ことです。
よくあるのがAという部署単体で意思決定をしたが、Bという部署は良く思っていないというパターンです。
こうなると初めに説明した例のように、事業会社側で意見が割れてしまい、プロジェクトが永遠に進みません。
なので、必ず関係部署全てを巻き込んで、協議しましょう。
また、点数をつけてもらうのも有効な手段です。
どうしても定性で感想を聞いてしまうと、声の大きな人の意見に流されてしまいがちになるので、定量化して点数でつけてもらうというのは非常にオススメです。
④提案の範囲を決めて、NG事項を渡したらあとは任せる
代理店にお願いする理由は社内にないプロフェッションを発揮してもらうことです。
なので、ある程度は先方に自由に考えてもらい、提案してもらうことが大事です。
ただとはいえ完全に自由だと、代理店側もどの範囲から提案してよいか分からなくなってしまいます。
一方で事業会社側も、代理店からの「ものすごくズレている提案」を減らすことができます。
なので提案の範囲は始めにお互いに握っておくことが重要です。
その方法としては、特にNG事項を具体化して渡しておくのが一番良いです。
これがNGでやめて欲しい!というのを伝えておけば、「ズレている提案」は大幅に減ります。
⑤納期管理
納期管理もプロジェクトマネジメントをする上では重要です。
納期管理に関しては、1本の期日ではなく、2本の期日以上を持っておくのをオススメしたいです。
具体的には、中間報告などの期日を設けて、プロジェクトの進捗具合を確認するといった具合です。
あとは、クリエイティブ系の代理店さんは納期遅れがちなので遅れる前提で少し余裕を持ったスケジュール組みをしておくことが重要です。
⑥適宜褒める
これは細かいTIPSになってしまうのですが、代理店の方を褒めてあげましょう。
発注側としては、「お金払ってるのだから、そんなのいらないだろ」と思われると思うのですが、やはり人間は褒められると嬉しいですし、
褒められると、支払ったお金以上に頑張ってくれる傾向が強いです。
なので、冷静な表現だと「支払った対価を最大化させるために」、
ウェットな表現だと「お互いに気持ちよく中長期の関係を築くために」、外注さんのことも褒めるのは非常に重要です。
あとこれも細かいテクニックですが、成果物が出てきたときに褒めるのは当然ですが、それ以外の思わぬタイミングで褒められると効果が増すので、試してみてください。
⑦代理店側にはビジネスの結果を求めない、求めるのはKPIの達成。
広告運用やクリエイティブ制作を代理店に発注して、求める成果や振り返り指標に売上を設定している会社さんがしばしばいらっしゃいます。
ただこれはふさわしくないです。
冒頭でもお話したように、各KPIを集合させてビジネスにするのは事業会社の仕事です。
なので、代理店には事業のKGIではなく、KPIの達成を担ってもらいましょう。
具体的には、広告代理店に頼むのであれば認知度やCPAなどの広告指標ですし、クリエイティブを頼むのであれば、クリエイティブ単体の評価になります。
ただし、弊社のようなコンサル会社は各KPIをビジネスにすることでフィーを頂いているので、この場合は売上が振り返り指標となります。
あとは代理店さんともよかった悪かったの振り返りができるように、事前に検証指標と振り返りを行うことを握っておくのも良いかもしれません。
⑧コロコロ代理店を変えない
代理店がイケてないからという理由で、コロコロ代理店さんを変える事業会社さんがいます。
これはあまりオススメできません。
というのも、初回はお互いの勘所が分からずに上手く進みづらい事は多いので、しっかりお互いの関係を深めていくことにフォーカスしたほうがいいです。
コロコロ代理店を変えると、都度事業全体のオリエンなどから入る必要があり、手間がかかりますし、代理店側の事業理解が進まないので、結局ズレた提案が続きます。
なので理想は初回に組んだ代理店さんとずっと付き合っていくことです。
あと細かいTIPSとしては業界で有名な代理店さんよりも、無名なところの方がオススメできる場合もあるということです。
広告やクリエイティブ、マーケのビジネス設計などもそうですが、組織全体のチカラというよりは個人の力に依存します。
なので有名/大手代理店だとしても、担当者の力量次第ではイマイチだったりしますし、エース人材は予算がたくさん割かれるプロジェクトにアサインされがちです。
一方無名なところや小規模/個人でやってるところは、まず間違いなく商談した人がそのまま担当になるので、ビジネス理解や小回りなども利きやすいです。
なので、代理店候補を選定する際には有名所ばかりではなく、無名なところも入れておくのはオススメかもしれません。
まとめ
今回は外注の代理店のマネジメント方法というテーマでお話させて頂きました。
代理店マネジメントの方法のポイントはまとめると、
①プロジェクトの目的・外注先について社内ですり合わせる
②必要項目を満たすオリエン資料を作成する
③コンペの際には関係者を集めて、点数化。協議し、議事録を残す
④提案の範囲を決めて、NG事項を渡したらあとは任せる
⑤納期管理
⑥適宜褒める
⑦代理店側にはビジネスの結果を求めない、求めるのはKPIの達成
⑧コロコロ代理店を変えない
の8点です。
外注代理店をうまくまとめるのは、事業会社のマーケターとして必須のスキルだと思うので、代理店マネジメントでお悩みの方は、ぜひ今回ご紹介した方法を実践してみてください。
大きくビジネスを伸ばせると思います。
また、上記のような代理店マネジメントをはじめとした、マーケターの研修サービスも弊社では提供しているので、ご興味ある方はぜひ弊社にご相談ください。
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また、外注は新規事業でよく使われると思います。
新規事業の立ち上げに関してはこちらで詳しく解説していますので、こちらも併せてご覧ください。
本日は以上です。