こんにちは、佐々木です。
今回はマーケティングにおいて重要なポジショニングマップについて解説します。
私はマーケティングの中でもこのポジショニングマップが最も重要だと考えていますし、ポジショニングマップはセンスが出る領域です。
なので、これまでは「ポジショニングマップはセンスで作るしかない!」と考えていました。
ただ、マーケティングのご支援を初めて、かなりの数のポジショニングマップを作るようになったので、その方法が言語化できるようになってきました。
なので、すべてを言語化し切れるわけではなく、センスに依拠してしまう領域も残りますが、ポジショニングについてできるだけ言語化して今回は解説しようと思います。
この動画ではポジショニングマップの定義やマーケティングにおける重要性から、
ポジショニングマップの作製手順、
ポジショニングマップの事例、
ポジショニングマップ作製時の注意点について解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。

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ポジショニングマップとは?

ポジショニングマップを作成するにあたって、改めて「そもそもポジショニングマップ」とは何か、の定義をまずは確認しましょう。

ポジショニングとは「市場の中で定めたポジションを取っていく」ことです。ポジショニングにおいては、「いかに競合と差別化された製品・サービスであるか」を顧客に認知してもらうところに意義があります。

つまり競合と比較して自社の優位性はどこなのか、また主たる競合はどこなのかを明らかにするのが、ポジショニングの役割です。

これらが明らかになることで、自分たちが押し出すべき強みや、その優先順位が決まります。

ポジショニングマップの重要性

ポジショニングマップはコンセプトを考えるのに役立ちます。
例えば、新製品のお茶のコンセプトを考えてください。と言われると、どこから手を付けたらいいか分かり辛いですよね。
一方で、綾鷹と伊右衛門を足して2で割ったコンセプトを作ってください、と言われると、思考が進むと思います。

このように、競合ブランドの特徴を炙り出して、自社の特徴をどう定義づけるか=ポジションを決めるのがポジショニングマップの役割であり、ここをうまくすることで、良い商品コンセプトを作ることができます。

ちなみにコンセプトの作り方についてはこちらで詳しく解説していますし、

その後のコンセプトテストについてはこちらで解説しています。

また、コンセプト初心者の方はこちらを見て頂くと、より分かりやすいかもしれません。

ポジショニングマップの作り方

ではここからポジショニングマップの作り方について解説していきます。

ポジショニングマップの作り方①:競合ブランドのメインターゲットのデモグラを調べる

ポジショニングマップを作る第一歩はここです。
まずは競合ブランドのメインターゲットをしっかりと理解しましょう。
デモグラフィックベースのデータで、男性・女性のどちらがメインなのか、年齢層は何歳くらいがメインなのかを調べましょう。
このデモグラはポジショニングマップで最も多く使う軸になるので、必ず調べておくことをオススメします。
あとはデモグラとは少し離れますが、家族構成なども生きる事もあるので、事業によっては調べてみましょう。

ポジショニングマップの作り方②:競合ブランドの価格や購入している顧客層の年収を調べる

次に基本的な軸となるのが価格です。
価格もポジショニングマップでよく使われる軸の一つなので、ここはしっかりと調べておきましょう。
調べる際に注意なのは、
チャネルによって価格が違うものは、最も販売ボリュームがあるチャネルの価格を採用するのと、
税込み・税抜きをどちらかに統一して調べることです。
※たまに混同してしまうので、注意が必要です。

ポジショニングマップの作り方③:競合ブランドの地理的な強みを洗い出す

これはあまりない区切り方の軸ではありますが、たまに起こり得ります。
特に店舗ビジネスなどであれば、エリアごとに強いエリア、弱いエリアがあることが多いので、エリア特性が出そうな業界でポジショニングを考える際には、競合の地理的な強みを考えるのもオススメしたいです。

ポジショニングマップの作り方④:競合ブランドの機能便益を洗い出す

ここから一気に難易度が上がってくるのですが、4つ目は競合ブランドの機能便益を洗い出すことです。
ここは深く考えないと、競合毎の差をつけられないので、深く考える必要があります。
例えば掃除機の機能便益と言えば、かなり大きく区切ってしまうと、基本は部屋をキレイにすることです。
ただ部屋をキレイのすることを機能便益の軸としてしまうと、部屋をキレイにしない掃除機などないので、ポジションが別れずにNGになります。
なので、適度にカテゴリー内の商品が別れる機能便益を軸に考える必要があります。

例えば掃除機であれば、吸引力は機能便益のメインで考えられ得る要素ですよね。
ここでよくあるのが、吸引力のある、ないで商品のポジショニングを考えてしまうことです。
ポジショニングの軸として、「吸引力がある」、を片方に置くと、もう一方は「吸引力がない」にしたくなりがちですが、掃除機を買う人で「吸引力がない掃除機」を欲しがる人はいるでしょうか?
多分いないと思います。

なので、このように、ポジショングを分けた際に、もう片一方のポジションに何も商品が属さないポジショニングは正しいポジショニングではありません。
機能便益の軸は単純な反対のものではなくても良いのです。

なので例えば先ほどの掃除機の例であれば、吸引力があるを片方の軸に置くと、もう一方の軸は、掃除が手軽にできるなどが考えられると思います。

もうみなさんお分かりだと思いますが、吸引力があるのポジションの代表はダイソンですし、手軽に掃除ができるのポジションの代表は全自動の掃除機ロボットです。

このように競合の機能便益を考え、上手くポジションを作れれば、良いポジショニングマップが作れるので、機能便益に関しては深く考えてみてください。

ポジショニングマップの作り方⑤:競合ブランドの情緒便益を洗い出す

最後は競合の情緒便益を洗い出します。
ここはポジショニングマップ作製でも非常に難易度が高いので、初心者の方は④までの手順で良いと思います。
上級者の方はこの⑤にも取り組むと良いと思います。

機能便益は基本的にHPやSNSなど見れば、書いていることが多いのですが、情緒便益はHPなどに記載がない事がほとんどです。
基本的に情緒便益は表に出すことはあまりなく、マーケターが裏で設計している(または設計されていないことも多い)ものです。

先程の掃除機の例で考えると、
ダイソンは吸引力があるのが、機能便益でした。
ここから考えられる情緒便益は、「部屋を徹底的にキレイにしたい」などがあると考えられます。
一方でお掃除ロボットは手軽さが機能便益でした。
ここから考えられる情緒便益は、「家事で楽をしたい」などが考えられます。
これらの情緒便益は真反対の情緒便益として成り立つので、ポジションをうまく作れますね。

また、情緒便益が分かれば、ペルソナも想像しやすくなるのはメリットです。
例えばダイソンであれば、割と完璧主義で何事もそつなくこなすタイプの方がコアなペルソナな可能性は高いですし、
お掃除ロボットは基本ズボラなタイプで、力の抜き差しが上手いタイプの方がコアなペルソナである可能性は高いです。
このように、情緒便益を考えられれば、ペルソナまで考えられるので、これは非常に大きなメリットです。
ちなみにペルソナに関しては下記で解説していますので、こちらも併せてご覧ください。

また、先ほどは機能便益から情緒便益を考えましたが、他には商品デザインから考える考え方もあります。

例えば、スティックタイプの掃除機だと全体的にシャープなイメージで、スタイリッシュなイメージ有ります。
一方で昔からのいわゆる掃除機!というイメージのキャニスター掃除機はぼてっとしており、スタイリッシュというよりは機能重視だと思われます。
このように、デザインを考えてスタイリッシュかそうでないか、の切り口でダイソンとお掃除ロボットを区切るなどもありますね。
※ただデザインの感性は人によって振れ幅が大きいので、難易度が高めなのも事実です。

このように、情緒便益はかなり奥が深いので、考え出すと止まらなくなりますが、ポジショニングの切り方は多ければ多いほどいいので、できるだけたくさん考えてみる事をオススメします。

ポジショニングマップの作り方⑥:①~⑤を組み合わせて4象限に切り、競合を配置し、自社のポジションを決める

申し訳ないのですが、ここからはセンスの世界で、あまりうまく解説ができません。
先程出した①~⑤のうちの2つを組み合わせて、市場を4つに切り分け、各競合を配置します。
ポイントとしては、
①のデモグラ、②の価格、③の地理的な強みから1つ、
④の機能便益、⑤の情緒便益から1つ、
選ぶと比較的うまくいきやすいです。

ポジショニングマップの事例

ではここからはポジショニングマップの事例を解説していきます。
今回はこれまで例に出してきた、掃除機を例にお話します。
※今回はポジショニングを作成するための簡易リサーチしかしておりませんので、情報が100%正確かは担保できません。あくまでも情報の正確さよりも、ポジショニングの考え方を見るという視点でご覧頂ければ幸いです。

①家族構成×お掃除への価値観のポジショニングマップ

このポジショニングマップでは縦軸に家族構成(一人暮らし⇒ファミリー)、
横軸にお掃除価値観(ライトにお掃除⇒しっかりお掃除)
という軸設定で、市場を切り分けました。
そうすると、
左上のファミリー×ライトにお掃除がロボット掃除機になり、
左下の一人暮らし×ライトにお掃除がハンディ掃除機になります。
そして右上のファミリー×しっかりお掃除がキャスター掃除機になり、
一人暮らし×しっかりお掃除がスティック掃除機になります。
※本来は各ブランドで仕分けをしていくのですが、簡易調査の関係上、このようにさせてもらいました。

そして上記で競合のポジションが決まれば、続いて、自社がどのポジションを狙うかを決めます。

自社のポジションの決め方の一例を解説します。
①まずは各象限に属するブランドから現状の売上規模、売上数を出します。
②そして、しっかりお掃除とライトお掃除の価値観を定量化できる調査を作成し、その比率を出して、世帯数に掛けることで、市場の本来のポテンシャルを出します。
③そのポテンシャルと現状の市場パイの差が大きい市場が狙い目であることが多いので、その市場を狙いに行きます。

という風市場のポテンシャルと現状との差分から狙うべき市場を考えるアプローチができます。

②値段×スタイリッシュさのポジショニングマップ

このポジショニングマップでは縦軸に価格(安い⇒高い)、
横軸にスタイリッシュさ(とにかく機能⇒スタイリッシュ)
という軸設定で、市場を切り分けました。
そうすると、
左上のとにかく機能×高いにお掃除がロボット掃除機になり、
左下のとにかく機能×安いにキャニスター掃除機がハマります。
そして右上のスタイリッシュ×高いがキャスター掃除機になり、
右下のスタイリッシュ×安いがハンディ掃除機になります。
※本来は各ブランドで仕分けをしていくのですが、簡易調査の関係上、このようにさせてもらいました。

そしてこれも先ほどと同様に自社のポジショニングを決めます。
今回のデザインの場合は、象限ごとで攻めるというよりは、各ブランドの売上の伸びに着目します。
デザインというのは流行り廃りが激しい領域です。
アパレルなどを考えて頂ければ、その流行の速さが分かると思います。
なので、デザインの観点では昔から売れているものが売れ続けることはなく、これから来る流行をしっかりと捉えられるかが大事です。

なので、各象限の売上の伸びで最も大きいものをそれぞれ出し、最も伸びの大きなブランドのデザインを違う象限で再現する、などがよいポジショニングの取り方と言えます。

なので例えば、ハンディ掃除機でとてもシャープな形の銀色の掃除機がうれていたら、キャニスター掃除機でシャープな形の銀色の掃除機を出す、といったような戦略です。

ただ、ここにデザインの難しさがあるのですが、デザインが流行っている真の要因を突き詰めるのは結構難しく、難易度が高くなりがちな領域ではあります。

ポジショニングマップ作製時の注意点

①市場規模を常に頭に置いておく

ポジショニングマップで最も抜けがちな観点は市場規模です。
上手く競合がいないポジションを狙ったが、実はその市場が市場規模が0、みたいな話はよくありがちです。
なので、ポジショニングマップを作る際には、狙うべき競合達の市場規模が十分かを調べましょう。

②ホワイトスペースを狙えているかを考える

またポジショニングマップを作る際に他にありがちなミスとして、競合と完全に同じポジションを取ってしまっていて、勝てないというパターンもあります。
各種のリソースが豊富であれば、大きな競合を狙って資本力で勝ちに行くという戦略もありますが、かなり体力がいるので、オススメではないです。
市場はある程度あるものの、まだ競合がいないホワイトスペースを狙えているのか、はポジショニングマップを作る際の重要ポイントです。

③実現可能性や自社の強みが生きているかを考える

ポジショニングマップはプロダクト化までして初めて成否が見えます。
なので、実現可能性もある程度考慮しておくのは非常に重要です。
市場規模もある程度あり、競合とも被らないホワイトスペースを見つけても、そもそも実現できなければ、そのポジショニングマップの価値は0ですし、
自社の強みが生きない戦い方をしても勝てる確率は低いです。
なので、実現可能性や自社の強みを考慮したポジショニング作成は必須です。

まとめ

今回はポジショニングマップの作り方について解説をしました。
まとめると、
ポジショニングマップの作製手順は
①競合ブランドのデモグラを調べる
②競合ブランドの価格や購買層の年収を調べる
③競合ブランドの地理的な強みを洗い出す
④競合ブランドの機能便益を洗い出す
⑤競合ブランドの情緒便益を洗い出す
でした。

またポジショニングマップの注意点は
①市場規模を常に頭に置いておく
②ホワイトスペースを狙えているかを考える
③実現可能性や自社の強みが生きているかを考える
というところでした。

今回解説したように、ポジショニングマップは作成の難易度がかなり高いです。
一方で、このポジショニングマップを上手く描ければ、マーケティングは大きく前進します。
ポジショニングマップは私の得意中の得意領域なので、ポジショニングマップでお悩みの方は、ぜひ下記の弊社HPよりお問い合わせをお願いいたします。

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