はじめに

こんにちは、佐々木です。
今回はマーケティングの最重要項目の「インサイト」について解説をしていきたいと思います。

インサイトに関しては上級マーケターでも意見が分かれるところで、「そんなものいるの?」という人もいれば、
「インサイトはとても重要!」
という人もいます。

私は後者で、マーケティングにはインサイトが必須だと考えております。
今回はそんなマーケティングに必須のインサイトの解説をしていきたいと思います。

インサイトとは

インサイトは元々は英語で、英語の意味では「洞察・発見・直感」です。
ただ、マーケティングの世界では、
「消費者がその製品を欲しい本当の理由」
と定義されています。

なんだ、簡単じゃないか!と皆さん思われるかもしれません。
ただ、このインサイトはかなり奥が深いのです。
これは定義で話すより、実例で話したほうが分かりやすいので、少し考えてみましょう。

では例えば、こってりラーメンで考えてみましょう。

こってりラーメンを食べる人のインサイトは何でしょうか?
皆さん考えてみてください。

普通に考えれば、
お腹が空いているから、とか
味の濃いものが食べたいから、とか
おいしいものを食べたいから、
とかになると思います。

でもご自身がこってりラーメンを食べたいと思う時の感覚を思い出していただきたいのですが、
例えばお腹が空いているのなら、うどんの大盛りではなぜダメなのでしょうか?
例えば味の濃いものが食べたいなら、カルボナーラではなぜダメなのでしょうか?
例えばおいしいものを食べたいのなら、寿司ではなぜダメなのでしょうか?
ということを考えてみてください。

もしこってりラーメンと
うどんやカルボナーラや寿司が同列で選択肢に入っていないなら、
あなたがその時にこってりラーメンを食べたいと思った気持ちに対するインサイトの答えにはなっていないです。

ちなみに自分の場合は上記は不正解です。
自分がこってりラーメンを食べたいときに同列に選択肢に上がってくるのは、マクドナルドやチョコレートです。
ではこの前提で私のインサイトを考えてみてください。

考えられたでしょうか?
こってりラーメン、マクドナルド、チョコレートに共通するのはハイカロリーであるという点です。
なので、私の場合は、
とても疲れた時にエネルギーをチャージする食べたいもの
というのがこってりラーメンを食べるインサイトです。

例えば他にも、こってりラーメンと焼肉やウナギが同列の場合は、
スタミナをつけたい
がインサイトになりますし、
こってりラーメンとカルボナーラ、味噌ラーメンが同列の場合は、
単純に濃い味の麺類を食べたい
がインサイトになります。

このように同じ「こってりラーメン」のインサイトでも、
同列に並ぶ選択肢によって、その対象者のインサイトは全く違います。

インサイトの発掘方法

ではこのインサイトはどう導きだすのでしょうか?
まず手法論としては、定量調査ではなく、定性調査が正解です。
たくさんの顧客に浅く聞くのではなく、少ない顧客に深く聞くのが正解ということです。
そして対象者は基本的には自ブランド使用者ですが、一部、想定競合の使用者を入れておくのが良いと思います。

インサイトを発掘するには下記の手法があります。
①使用時の気持ちや使用シーンを聞く
②選択肢に上がる競合を上げてもらう
③商品をグルーピングしてもらう

それぞれについて解説してゆきます。

①使用時の気持ちや使用シーンを聞く

まずは王道の攻め方で、どんな気持ちの時に使うのか、どんなシーンで使うのか、を消費者に聞きます。
ただ、「どんな気持ちの時に使うのか」は上手く話せる消費者はほとんどいません。
先程のこってりラーメンの例だと、ほとんどが
「お腹が空いているから」、とか、「濃い味のものが食べたかったから」そして、「何となく」のような回答で帰ってくることが多いです。
なので、「どんな気持ちの時に使うのか」は参考程度に軽く聞いてみるくらいでOKです。

上記では大抵いい結果を得られないので、次は使用シーンを聞きます。
これは割と良い答えが返ってきます。
例えばこってりラーメンなら、
ほとんど食べるのが「残業中の深夜」であれば、「とても疲れた時のエネルギーチャージ」のインサイトの可能性が上がりますし、
食べるのが「夏場が多い」のであれば、スタミナをつけたいのインサイトが当てはまります。

なので、「どんなシーンでその商品を使うのか」、から消費者のインサイトを推測するのは結構良い手です。

②選択肢に上がる競合を上げてもらう

これは先ほどの例でご説明したように、その商品を使う時に、選択肢に上がる競合を上げてもらいます。
するとその商品達から共通する要因を見つけていくことができます。
あとはその競合に上がる商品を、競合度が高い順に並べてもらうことが大切です。
そうすることで、共通点の中でも、その方の中で優先すべき軸が分かります。

先程の例だと、
こってりラーメン、カルボナーラ、味噌ラーメンが同じ選択の中で選ばれるとした時に、
このままだと、もしかするとラーメンが優先で競合と考えてしまうかもしれません。
ただ、その方に「こってりラーメンにより近いのは、カルボナーラと味噌ラーメンのどちらですか?」
と聞き、回答がカルボナーラであれば、その方はラーメンというくくりで市場を見ていないことになります。

③商品をグルーピングしてもらう

そのほかの方法として、消費者に商品をグルーピングしてもらう方法があります。
自分たちが想定する競合を最大限列挙して、消費者にグルーピングをしてもらいます。
この方法のメリットは、想定していない競合関係が明確になるところです。
例えば自分が事業者側で、こってりラーメンのラーメン屋をやっていれば、
競合はラーメン屋と考えるでしょう。
しかし、インサイトを掘っていくと、実は競合はマクドナルドやチョコレートだったりするパターンがあるのです。
このように、商品のグルーピングによって、思わぬ競合関係があらわになることがあります。

なので、グルーピングしてもらう商品はなるべく広い範囲から集めておくことをオススメします。

注意点

ただ、インサイトの発掘の際には注意点があります。
それは、消費者の言葉を全て鵜呑みにしない方が良いということです。
インタビューでは消費者側はある程度色々なことを聞かれる想定でインタビューに臨んでいます。
ただ、質問の回答に困った際に、右脳の自分の直感ではなく、左脳の論理の方で考えて答えることがあります。
こういった場合は真のインサイトではないので、ここはそのまま鵜呑みにしない方が良いです。
消費者側の話がやけに論理的で、理にかなっている場合は上記の例に当てはまっていることが多いので注意が必要です。

また、定性調査については、下記の記事で解説しているので、そちらも参照いただければと思います。

N1インタビューのコツ

インサイトの活かし方

では発掘したインサイトをどう生かせばよいでしょうか?

まず一番は競合の設定です。
先程の例のように、自分たちの想定競合は同カテゴリ内だけにとどまらないことが往々にしてあります。
なので、真の競合をしっかりと炙りだし、その競合達に勝つコミュニケーションをしっかりと図っていくことに、インサイトは役立てるべきです。

あとはそれに付随して、施策を変えることもできます。
例えば疲れた時のエネルギーチャージであれば、
深夜の残業専用のこってりラーメン
の商品を開発したり、そういったシーンを想起させる広告やSNSでの発信を行っていきます。

また、自分たちのブランドのユーザーへのインタビューであれば、カテゴリを跨ぎにいく足がかりができるかもしれません。
疲れた時のエネルギーチャージでこってりラーメンが食べられているのであれば、
自分たちのブランドの名を関した、エナジードリンクを作ったりして、
単純な市場分析だけでは到底考えられないカテゴリジャンプを測ることができますし、爆発的な売上を創ることも可能かもしれません。

まとめ

今回は「マーケティングの最重要項目のインサイト」というテーマでお話をしました。
インサイトとは「消費者がその製品を欲しい本当の理由」で、
その発掘方法は
①使用時の気持ちや使用シーンを聞く
②選択肢に上がる競合を上げてもらう
③商品をグルーピングしてもらう
でした。
またインサイトを活かせばカテゴリジャンプなども可能であるともご説明しました。

インサイトの発掘は本当に大変ですが、見つかればその後のマーケ施策がかなり楽になります。
ですので、マーケティングの初手の段階でしっかりと消費者のインサイトを見抜くような活動をするのをオススメしたいと思います。

また、定性調査で上手くインサイトを見抜くには、ある程度の経験が必要です。
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コンセプトテストとは?コンセプトテストのやり方や重要性を解説!

 

では本日は以上です。