こんにちは、佐々木です。
今日はN1インタビュー(N1分析)のやり方や成功事例というテーマでお話します。
過去500人以上にN1インタビュー(N1分析)を実施し、マーケ施策に繋げてきた経験を元に、N1インタビュー(N1分析)のやり方や成功事例について解説していきたいと思います。
N1インタビュー(N1分析)とは?その重要性を解説
まずそもそもN1インタビュー(N1分析)がどんなものなのか、そしてその役割について解説していきます。
N1インタビュー(N1分析)とは消費者1人に対して様々な質問をしていくインタビューです。
インタビューする内容は様々ですが、基本的にはインタビュー対象者のライフスタイルや価値観を知る質問をした上で、自社や競合他社のプロダクトについて質問していく、という流れが通常です。
N1インタビュー(N1分析)のマーケ全体での役割としてはズバリ、
「仮説出し」
です。
これがどういうことか少し解説します。
例えばあなたが高級車のマーケティング担当だとします。
あなたたちが考えた訴求は
①加速スピードが速い
②見た目がカッコいい
③お金持ちと思われたい
の3軸だったとします。
ただこれをN1インタビュー(N1分析)に掛けると、ユーザーから
④社内が豪華で快適
が最も評価されていることが分かったりします。
そうすれば、検証する訴求の選択肢を1つ増やすことができますし、定量調査に進むときに仮説の漏れが無くなります。
このように、N1インタビュー(N1分析)をすることで、
自分たちが思いもしなかった仮説が出てきます。
とはいえ、そんなのN1インタビュー(N1分析)しなくても自分たちだけで分かる! と思われるマーケターの方も多いでしょう。
これが本当に、本当に信じられないのですが、N1インタビュー(N1分析)すると自分たちが思いもよらなかった商品の魅力や使い方が出てくるのです。
自分も初めてN1インタビューをするまではN1インタビュー反対派でしたが、初めてやって以降、N1インタビューはマスト!派になりました。
N1インタビュー(N1分析)のやり方のステップ
ではここからN1インタビュー(N1分析)のステップについて解説していきます。
①今回のN1インタビュー(N1分析)の目的を決める
まず第一にインタビューの目的を決めましょう。
インタビューの目的は
「リアルな消費者の声を聴く」などではダメです。
「新規ユーザーの獲得をしたいので、主競合の○○ユーザーに刺さる訴求はA~Dのうちどれが刺さるか知りたい」
という位、細かい目的設定が必要です。
意味もなく消費者にインタビューするのは、マーケティングではありません。
ただ先ほどのようにA~Dの選択肢を出してもEという選択肢が出てきたり、意外とA+Bが圧倒的に刺さる、などが分かるのがN1インタビューの良いところです。
②インタビュー対象者を決める
次にインタビューの対象者を決めます。
インタビュー対象者は目的に沿うように設計しつつも、少し広く取るのをオススメします。
例えば新規ユーザーを取りたいのであれば、
自社プロダクトを使ったことがないユーザーを中心に対象者を選びますが、
2~3割は自社プロダクトを使ったことのあるユーザーも選びます。
また、自社プロダクトを使ったことのないユーザーの中でも、年齢や性別、現在使っている商品などで、属性が偏りすぎないようにします。
このように目的に合うインタビュー対象者を選定しつつも、
特定の属性に偏りすぎないようにできるだけ広い対象者を集めるのが大事です。
③提示物を準備する
インタビューの対象者が決まれば次は提示物を準備します。
提示物を準備する上で大事なのは、対象者に情報を提示しすぎないことです。
例えばコンセプトの良し悪しをテストしたいのであれば、コンセプトのテキストのみを提示すべきであって、
プロダクトの画像やLPなどは提示するべきではないです。
また、競合他社の商品に関しても価格や容量などの詳細情報も出しすぎないことをオススメしています。
というのも、N1インタビュー(N1分析)で知りたいのは、
「お客様が市場と自社をどう捉えているか」
だからです。
例えば自分たちのプロダクトが3000円だったとしても、店頭で2000円で売られていて、お客様が自分たちのプロダクトを2000円と認識しているのであれば、自社商品は2000円なのです。
そこで変に自社商品を3000円と提示してしまうと、お客様が見ている市場を歪めてしまうことになります。
なので、ここは注意が必要です。
※ちなみに同様にインタビューしているとA商品って○○円でしたよね?
といった風に聞かれることもありますが、ここは合っていても間違っていても、会釈や軽い同意でお客様の発言に同調するようにしましょう。
ちなみに良いコンセプトの作り方はこちらの記事で解説をしていますので、こちらも併せてご覧ください。
また、初心者の方はまずはコンセプトの作り方の型、つまりフレームワークを学ぶ方が良いです。
コンセプト作成のフレームワークに関してはこちらで解説していますので、こちらも併せてご覧ください。
④実際にインタビューする
ここまで準備ができれば実際にインタビューを行います。
インタビューする人数は5人~10人くらいが適切です。
また、インタビューをする際には、まず順番の設定をしっかり考えましょう。
自社プロダクトのユーザーとノンユーザーにインタビューする場合、
ユーザーが前半に固まって、ノンユーザーが後半に固まるなどはあまり良くないです。
ノンユーザーにインタビューした内容でユーザーにこれ聞きたかった!みたいな内容が必ず出てくるので、できるだけ属性が固まりすぎる順番組みはやめましょう。
また、インタビューをする際には、
クローズドクエスチョン(Yes,Noで答えられる質問)ではなく、
オープンクエスチョン(どう思いますか?)で質問し、
できるだけインタビュー対象者の言葉を引き出しましょう。
そしてインタビューは必ず録画や議事録を取りましょう。
特に議事録はインタビュー対象者の言葉を変換して書くのではなく、そのまま書くように心がけてください。
消費者の率直な表現が今後の参考になります。
そしてインタビューはブランドの関係者をできるだけ多く巻き込んで行うことをオススメします。
自分が言っても言うことを聞かない人たちも、
消費者の声をリアルに聞くと言うことを聞いてくれるようになります。
また、チャットなどで
バックからインタビュワーに質問して欲しい事を送れる体制を作っておくことも、小さな工夫ですが大事です。
⑤ラップアップをする
インタビューが終われば、短い時間でもいいのでラップアップをしましょう。
「さっきの人の○○という表現は~という価値観があるからだ」
のような議論をインタビューしたメンバー同士で話しましょう。
ここで「消費者がどう世界をとらえているのか」にどれだけ憑依できるかがマーケターの腕の見せ所です。
インタビュー対象者の小さな一言がブランドを大きく変える仮説になることもあります。
N1インタビュー(N1分析)でよくある失敗
N1インタビュー(N1分析)を自分たちの顧客だけで実施してしまう
N1インタビュー(N1分析)でよくある失敗がこのパターンです。
顧客インタビューだから、自分たちのロイヤルユーザーに話を聞いて、そのユーザーたちの声を元にマーケティングを設計しよう!と考えられる方は多いです。
ただ、N1インタビューで大事なのは、広く市場全体の顧客の声を集めることです。
なので、N1インタビュー(N1分析)をする際には、必ず自社のノンユーザーも含めましょう。
むしろノンユーザーの方がクリティカルな意見をくれる事も多いです。
自分たちが求める答えにはめようとしてしまう
N1インタビュー(N1分析)を行う際には、自社側である程度の仮説があります。
この仮説が正しいと証明したいがために、自分たちが思う結論に誘導しようとする質問ばかりしてしまうのがこのパターンです。
質問内容もそうですし、スクリーニングの段階から、自社に有利な顧客ばかり選んでしまっている場合もあります。
これでは、市場全体の一部の偏った意見しか吸収できていないので、これも注意しましょう。
顧客に答えを求めてしまう
逆に仮説が一切なくN1インタビュー(N1分析)を実施するのがこのパターンです。
顧客が自分たちが進むべき道を教えてくれると考えて、「この商品はどうすればよくなると思いますか?」のような質問をしているパターンです。
これもNGです。
なぜなら顧客自身もなぜ今この商品を買っているかを言語化できないパターンが多いからです。
なので、顧客へのインタビューから、自分たちで進むべき方向性を考えることが重要です。
N1インタビュー(N1分析)の実施のための費用
ではN1インタビューの実施費用に関してここから解説してゆきます。
N1インタビュー(N1分析)を大手調査会社に依頼する場合
大手の調査会社に依頼すると、約100万程度の費用が掛かります。
実施してくれる内容は下記です。
①調査目的の整理
②スクリーニングアンケートの作成・実施
③対象者の選定&アポ
④インタビューの設計&モデレーター代行
⑤結果分析
大手の調査会社に依頼するメリットは、すべてを完全に代行してくれる点です。
自分たちはほぼ手を掛けずにN1インタビュー(N1分析)を実施したい場合は、大手調査会社に依頼するのが良いでしょう。
デメリットは費用が高い点と、インタビュー分析の質が担当者によってまちまちなのと、マーケ経験者が少ないため、マーケの観点が少し抜け落ちがちな点です。
N1インタビュー(N1分析)を自社で行う場合
自社で行う場合は、インタビュー対象者への謝礼(数万ほど)とインタビューに参加するメンバーの人件費がかかる費用です。
なのでトータルで10万程で収まります。
ただ、下記を全て内製で実施しなければなりません。
①調査目的の整理
②スクリーニングアンケートの作成・実施
③対象者の選定&アポ
④インタビューの設計&モデレーター代行
⑤結果分析
自社で行うメリットは、すべてを費用を最も抑えられる点です。
一方で自社で行うデメリットは、自社ノンユーザーの確保が難しい点や、インタビューの質が下がってしまう点、また分析の質も下がってしまう点です。
N1インタビュー(N1分析)を弊社に依頼する場合
弊社にご依頼頂く場合は、50万円程で実施ができます。(N:10の場合)
また、貴社側でインタビュー対象者の候補リストがある場合は30万円程で実施ができます。
対応業務としては、
①調査目的の整理
②スクリーニングアンケートの作成・実施
③対象者の選定&アポ
④インタビューの設計&モデレーター代行
⑤結果分析
弊社で行うメリットは下記です。
- 費用を一定程度で抑えられる
- 元事業会社マーケターの目線で実務に活きる分析&施策出しができる
- その後のマーケ施策のご支援も依頼可能な
一方で弊社にご依頼いただくデメリットは下記です。
- 一度にたくさんの調査をお受けできない
- 謝礼の手配などは内製で行わないといけない
ただ、元事業会社マーケターかつ、N1インタビュー(N1分析)の経験が豊富なマーケターは多くはないので、ぜひご興味ある方は下記よりお問い合わせをお願いいたします。
N1インタビュー(N1分析)の成功事例 既存品比110%の購入意向を出した例
ではここからはN1インタビュー(N1分析)の成功事例について解説していきます。
クライアント様の課題
このクライアント様は売上2桁億のD2Cブランド様でした。
立上げから数年は調子よく売上が伸びていき、2桁億まですぐに到達していたのですが、ここ数年は売上が伸び悩んでいました。
そんな折に、訴求を見直したいとご相談を頂きました。
課題解決のために行ったこと
このブランドに関してたくさん調査をしました。
すると、どうやらポジショニングに課題があるように感じられました。
ご支援しているブランド(ブランドA)が属する市場をある便益で区切ると、競合Bと競合Cがそれぞれのポジションの端にいることが分かりました。
一方で、ブランドAは競合Bとも競合Cとも離れていて、ちょうど中間地点のような位置にいました。
売上で言うと競合BとCが圧倒的に大きい状態でした。
つまり、ポジショニング上、ブランドAは市場がないところに展開をしてしまっていたのです。
ただし、これは仮説でしかなかったので、このポジショニングマップの仮説をN1インタビュー(N1分析)で確認すると、見事に消費者の頭の中もこの通りでした。
そして、ご支援している企業さんはどちらかと言えばベンチマークは競合Bだったので、競合Bの方にコンセプトをリライトし、既存品比で110%のコンセプトを作成することができました。
ちなみにコンセプトの定量調査に関してはこちらで解説していますので、こちらも併せてご覧ください。
まとめ
今回はN1インタビュー(N1分析)について解説をしました。
再度になりますが、N1インタビュー(N1分析)は自分たちが思ってもみなかった仮説をもたらしてくれるので、非常にオススメの調査手法です。
消費者にインタビューなんて効果あるの?と思われている方はぜひ、騙されたと思ってインタビューを実施してみてください。
また弊社ではN1インタビュー(N1分析)を活用したご支援で対既存品比110%の購入意向を出すことにも成功しています。毎月5社無料相談を承っておりますので、ご興味ある方はこちらからお申し込みください。
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またN1インタビューから得られるインサイトについてはこちらの記事で解説しています。
では本日は以上です。