はじめに

こんにちは、佐々木です。
今回はマーケティングコンサルの提案を大公開ということで、
弊社のコンサルティングの内容を公開致します。

ただ、本当のクライアントでやるわけにはいかないので、
株式会社Venture Oceanを顧客と見立てて、新規でマーケコンサル事業を立ち上げるとしたら、という形で考えてみたいと思います。

今回はコンサル視点での提案ですが、実際にマーケティングの現場でそのまま使えますので、マーケターの方、新規事業担当の方はぜひ参考にして頂ければと思います。

※今回は内容の構成上、競合他社のコンサルティング会社さんにも触れますが、決して他社さんを貶める意図はなく、客観的に顧客視点で見た場合にこう捉えられる、という説明になります。

前提のヒアリング

まずマーケティングコンサルのスタートはヒアリングからです。
先方がやりたいこと、思い描くゴールや課題などを細かくヒアリングします。
今回は下記を前提条件とします。

■依頼主はベンチャー企業でマーケティングでの仕事をしてきた方。
■マーケティングでのコンサル会社を2人で立ち上げたいと考えている。
■会社のコンセプトを考えて欲しい
■会社規模はとりあえず社長と従業員が食っていけるレベルでまずはOK

この時に大切なポイントは先方の強みを把握しておくことです。
お話の中でその会社さんの創業の経緯や、現状の体制等々のお話を聞くこともありますが、その中からその会社の強みを見出すように意識しましょう。

これは新規事業も同様で、新規事業を始める前に、今回参入しようとしている領域での自社の強みはなんなのか、これを徹底的に自問自答しましょう。

上記を条件として、マーケティングコンサルの私がどのように考えるかを解説していきます。

市場全体概況の整理

まずは参入しようとしている市場全体の推移について、調べます。
これは以前の記事でも解説している通り、さらっと市場規模の推移を調べることからスタートします。

市場調査のやり方を市場シェア1位達成マーケターが解説!

今回はコンサル業界なので、オープンデータでコンサル業界の推移を調べました。

https://www.consul.global/post11350/#:~:text=2017%E5%B9%B4%EF%BD%9E2021%E5%B9%B4%E3%81%A7%E7%B4%841.6%E5%80%8D%E6%88%90%E9%95%B7,-%E5%9B%B3%E8%A1%A8%EF%BC%91%E3%81%AF&text=2017%E5%B9%B4%E6%99%82%E7%82%B9%E3%81%A79%2C644,%E3%81%84%E3%82%8B%E3%81%A8%E3%81%84%E3%81%88%E3%82%8B%E3%81%A7%E3%81%97%E3%82%87%E3%81%86%E3%80%8

これを見ると、
コンサル市場は2017年に9,644億円から2021年度には15,761億円と約1.6倍に成長しています。

なので、市場規模は十分です。
また、上記の動画で話しているように、急激に市場規模が縮んでいるようなこともないので、
参入NGな市場ではないということが分かります。

また市場規模に関しても、小さすぎることはなく、従業員2人程度の会社なら全く問題ありません。

ここはさらっと時間を掛けずに終わらせます。

市場分析(おおまか)

https://digital-shift.jp/flash_news/FN220801_3より

次に競合分析に入るのですが、コンサル業界は少し市場が大きすぎるので、今回は市場をもう少し切り分けたいと思います。

上記はカオスマップと言って、コンサル業界での各社の得意領域を明示してくれています。
ここから今回のクライアントが攻めるべき市場を探していきましょう。

まず総合やシンクタンクの領域ですが、
ここは範囲や分析量・専門性が2人でやるには広すぎる領域です。
なので今回のスコープからは外します。

次にITやデザイン、人事や事業投資領域ですが、
ここは今回のクライアントの強みが生きません。
今回のクライアントの強みはマーケティングとベンチャーなので、
上記の領域では強みが生きず、負けてしまうので、ここも進出の対象外としましょう。

次に戦略系の領域ですが、
ここはいわゆる大手企業さんの案件が多いはずです。
創業したての2人の会社への依頼は現段階ではなかなか考え辛いので、この領域への参入もなしです。

なのでこのカオスマップ上で残った領域は
・ベンチャー企業向けコンサル
・中小企業向けコンサル
と、そもそものクライアントの得意領域である
・マーケティング領域
の3領域です。

この3領域を基軸に、具体的な競合の選定に入ります。

競合分析

競合分析では以前、下記の項目を調査するとお伝えしています。

ブランド名・由来
ブランドロゴ・エース商品画像
サイトHPのURL
売上
販路
キャッチコピー
訴求詳細(RTB)
価格・使用できる期間
エース商品
想定ターゲット層

ただ今回はTO B領域であるということと、自社なので少し手を抜いて(w)、まずはエース商品で競合性のスクリーニングをしました。
上記のスライドの競合達はデザインがメインで強みが違ったり、本当の経営領域のみでドメインがやや違ったりしたので、このA~D社社は競合から外しました。

次の競合達がメインの競合です。
今回調べた要素は下記です。
①売上
②販路
③キャッチコピー
④エース商品
⑤強み
⑥想定ターゲット層

①売上

売上は最も大事な要素でありながら、上場企業以外はあまり外に出てこないデータです。
ですが、ここはマーケティングをするうえで絶対に欠かせない要素です。
なので、あらゆる手段を使って、推計をします。
例えばTO C 向けのプロダクトであれば累計販売数や市場規模×シェアからの推計を行います。
またTO B 向けであれば取引している会社の数×単価などで、
とにかく何も分からないよりはマシの精神で、売上を推計します。

今回のコンサル業界の場合は、コンサルの原価=コンサルタントの給料なので、一旦社員数をベースとしました。
ここからコンサルの平均給与からの計算、
コンサル会社の利益率からの逆算からの計算
などでだいたいの売上は想定で切ると思います。

②販路

販路は競合を考えるうえで大切です。
競合と同じ訴求、同じ販路で戦えば、こちらが経営資源で買っていない限りは負けるのが常識です。
なので、同様のコンセプトの競合の販路の穴を探しましょう。
今回の競合で行くとTwitterは穴場であることが分かります。

③キャッチコピー

キャッチコピーは競合理解に置いて非常に大事です。
競合達が何を独自性と便益としているのかが最も表れているのがキャッチコピーです。
領域が狭い企業ほど、鋭いコピーになりますし、
領域が広い企業ほど、万人向けのコピーになります。
また、キャッチコピーに攻める領域を明示している企業さんも多いですね。
キャッチコピーは各社の思想が出やすいところなので、ここはどんな事業への参入検討でも、絶対に抑えておきましょう。

④RTB

次に訴求の根拠を考えます。
今回は各社の代表の過去の経歴や、各社の一般的なイメージなどから設定しました。
TO C 向けの商品であれば、成分や内容物が該当します。

⑤エース商品

エース商品は実際に顧客に提供している便益の話です。
先程のキャッチコピーは独自性に重きを置いたものが多いですが、
エース商品は各社が提供する便益のイメージです。
ココが自分たちの提供しようとしているものと被っている企業さんは競合性が高いです。

⑥強み

そして各社さんの強みを考えます。
ここはHPなどでもテキスト化されていないですし、競争相手が変われば変わるので、あくまでも今回出した競合達の中での強みです。
ここの各社の強みをどう考えるかが、マーケターのセンスが問われるところですし、自社の強みをどこに設定するかが事業の成否を分けます。

⑦想定ターゲット層

最後は想定ターゲット層です。
自社の想定ターゲットはみなさんそれなりに考えられると思うのですが、競合のターゲット層は考えたことがあるでしょうか?
競合が目指しているターゲット層を知れば、競合と直接ぶつからなくていいので、ここは考えておくべきです。
そして30歳男性、のようなデモグラだけでなく、サイコグラフィックベースでも考えましょう。
※今回、各社の想定ターゲットをかなり詳細に考えましたが、ここは今資料に書いてある程度までの開示とさせてください。

ポジショニングマップ

続いてポジショニングです。
今回は縦軸に全分野対応か、マーケティング専門か、
横軸に大企業かベンチャーかを置きました。

すると、第一象限が空欄、
第二象限がF社、G社、H社、J社となり、
第三象限がI社、E社
第四象限が大手戦略系コンサル会社
となりました。

結論、ベンチャー向けのマーケティング専門のコンサルは未だホワイトスペースなのです。
なので、ここに参入するのがいいというのが今回の提案の骨子になります。

ポイントは2~3個の強みを組み合わせれば、市場のホワイトスペースは大概見えてくるものなので、強みの正しい認識と、そこに市場があるかの理解だと思います。

ペルソナ

次にこのポジショニングで見込み客になりそうな人の像=ペルソナを書きます。
ペルソナに関しては下記で細かく解説しているので、詳細はこちらを見て頂いて、要点をお話しすると、
できるだけ具体的に書く、価値観を深く描く
ことが大切です。
※本来はイメージ画像なども貼りますが、今回は差し控えています。

ペルソナについてはこちらの記事で解説していますので、こちらも併せてご覧ください。

ペルソナマーケィングは古いって本当?―ペルソナの効果を最大限に上げるポイントも徹底解説―

 

コンセプト

その後はコンセプトを書きます。
本来は複数書きますが、今回は自社ということ&もうすでに決まっているので、1個にしています。

まずメインコピーは競合分析やポジショニングであったように、
ベンチャー×マーケティングとしています。

そして特徴≒RTBはメインコピーのRTBとなるようにしっかり設計しています。
①はマーケティング分野のRTB、
②はベンチャー企業向けのサービスであることのRTB
③は無限の可能性のコンサルのRTB
としています。

ポイントは各RTBや難しければRTBの組み合わせが競合に真似されないものかどうかという点です。
ベンチャー×マーケティングで結果を出して、コンサルに進むパターンというのはあまりないかなと思うので、独自のポジションを確保できたと考えています。

調査

上記で複数のコンセプトを完成させられたら、次は定量・定性調査です。
ここでは定量・定性調査の設計もご提案し、結果をレビューします。
今回は自社マーケなので、実施していません、すみません!w

プロモーション戦略

そして次にプロモーション戦略の大枠を描きます。
今回はBtoBなので、上記のようなプロモーション媒体から、各社の力の入れようを考えました。
結論、中長期ではSEO、YouTubeで勝つ設計にしながら、短期ではTwitter、noteで集客が戦略です。
プロモーション戦略のポイントは短期と中長期を意識することです。
特に新規事業だと、まずは赤字の回収を必ず行わないといけないので、
確実に費用を抑えたプロモーション設計が必要です。
一方で中長期で勝つためには大きな投資や大局的に見てどう勝つか、の設計が必要です。
なので、プロモーション戦略は短期と中長期の両軸で考えましょう。

PL

最後はPLです。
今まで調べてきた情報を元に、競合の売上や利益構造などから、売り上げ・利益のシュミレーションを組みます。
売上は大体競合のどこかの実数は出ているはずなので、そこをベンチに算出します。
その他の経費は%で見積もったり、知見ある業界は実際にかかる費用の試算をしたりします。
最終はこの数字を元に、「この市場にこの切り口で参入するか」をクライアントと議論します。
場合によっては参入しない方が良いという結論になる場合もありますが、
その場合は他の類似市場や違う切り口に戻ります。

まとめ

今回はマーケティングコンサルのコンサルティング内容を大公開ということで、弊社のコンサルティングを実例を交えてご紹介いたしました。
ここの初手のビジネス設計を間違えると事業が伸び辛くなってしまい、リソースの有効活用ができなくなってしまいます。
一方で正直戦略を創るだけでは不十分で、この先の実行がもっと大事です。
この実行に関しても、弊社では伴走しております。

弊社では新規事業で年間34億の事業計画を作った経験があります。新規事業や既存事業に関してマーケティングのご相談がありましたら、ぜひ弊社にご相談ください。

 

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では今回は以上です。ありがとうございました。