新規事業で失敗するパターンランキングTOP10

こんにちは、佐々木です。
今日は新規事業立ち上げが失敗するパターンランキングについてご紹介したいと思います。
私は事業会社で新規のブランド立ち上げにたくさん関わって来ましたし、今はコンサルとして新規事業のご支援が最も多いです。
その中で大当たりしたものもあれば、そうでないものもあります。
そんな私から見た新規事業の失敗パターンについてランキング形式で今日は解説していきたいと思います。
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目次
- 新規事業で失敗するパターン第10位:資金不足
- 新規事業で失敗するパターン第9位:自社の強みが生きていない
- 新規事業で失敗するパターン第8位:市場規模が小さい
- 新規事業で失敗するパターン第7位:競合調査が不足している
- 新規事業で失敗するパターン第6位:自社の狙うべきポジショニングや主競合が不明確
- 新規事業で失敗するパターン第5位:機能にもコンセプトにも新規性がない
- 新規事業で失敗するパターン第4位:顧客の便益に紐づかない新規性
- 新規事業で失敗するパターン第3位:新規事業担当メンバーの力量・適正が足りない
- 新規事業で失敗するパターン第2位:新規事業のオーナー担当がいない
- 新規事業で失敗するパターン第1位:やり切る意思・情熱がない
- 新規事業で失敗するパターン:まとめ
新規事業で失敗するパターン第10位:資金不足
新規事業で失敗するパターン第10位は資金不足です。
これは経営的な運営資金はもちろんですが、
そうではなくて投資金額の方を意味します。
大抵ビジネスは2次関数のように、始め数か月は低空飛行で、どこかで大きく一気に伸びます。
この勝てる分岐点まで投資し切れるかどうかが、意外と新規事業の成否を分けています。
参入当初の段階で、勝てる分岐点目安と時期を設計しておくことは非常に重要です。
当たるかどうかはともかく、
一定の基準・KPIを設けておかないと、ビジネスが当初の想定通り行っているのか、そうでないのかが分かりません。
新規事業というと突き進むことだけを考えがちですが、
初手のビジネス設計・資金設計が成否を分けることもあるということを覚えておいてください。
ちなみに新規事業の売上予測や金融機関からの融資に関してはこちらで解説しています。
新規事業の売上予測を立てる7ステップ|金融機関から融資を受けるために
新規事業で失敗するパターン第9位:自社の強みが生きていない
新規事業で失敗するパターン第9位は「自社の強みが生きていない」です。
新規事業を行う際の失敗例として、参入する領域をミスしている例があります。
自分たちの強みが生きない領域では絶対に勝てないです。
コンサルの私が飲食店を始めてもおいしい料理を絶対に作れずに失敗するでしょう。
このように、自社の強みが生きない領域には基本参入しないことをオススメします。
新規事業で失敗するパターン第8位:市場規模が小さい
新規事業で失敗するパターン第8位は市場規模が小さい、です。
競合がある程度の成功を収めているから、自分たちも真似して勝ちに行こう!と考えて参入して失敗してしまうパターンです。
ニッチな市場でNo.1な競合をベンチにして新規事業を始めると、こういった落とし穴に引っかかってしまいます。
市場サイズがニッチなので、費用をかけてシェアをひっくり返しに行ったとしても、結局採算が合わない。
だから費用をかけれない、のようなジレンマに陥りやすいのがこのパターンです。
なので参入前にある程度市場規模については調査しておく必要があります。
この市場調査を事前にしておくことで、想定の最大売上はいくらなのか、
そこから逆算すると掛けられるコストがいくらなのか、が分かります。
ここを怠ると、小さすぎる市場にマーケティングコストだけを掛け続けることになってしまいます。
ちなみに市場調査に関してはこちらで解説していますので、こちらも併せてご覧ください。
新規事業で失敗するパターン第7位:競合調査が不足している
新規事業で失敗するパターン第7位は競合調査が不足している、です。
8位の例のように、ニッチな市場でNo.1の企業やブランドは過去に何かしらを成功させてその市場ポジションにいるはずです。
なのでその成功の法則は必ず調査しておくべきポイントです。
例えば農機メーカーのキャニコムというメーカーさんがあります。
彼らは「草刈機まさお」「社長芝耕作」という面白いネーミングで商品を売り出しています。
ココだけを見て、安易に面白いネーミングの農業機械なら勝てる!と考えて市場参入すると失敗します。
例えば「草刈機まさお」だと、車高が低く、ゴーカートのような感覚で運転でき、楽しく草刈りをできるようにしています。
またギアを工夫し、30度の険しい傾斜にも対応できるようにしています。
※https://business.nikkei.com/article/report/20150303/278209/100500039/より
上記のように彼らはネーミングだけではなく、険しい斜面で使う農業機械というニッチな市場を取りに行っているわけです。
このように競合の成功要因を正確に把握しておくことは、新規事業では必要不可欠です。
新規事業で失敗するパターン第6位:自社の狙うべきポジショニングや主競合が不明確
新規事業で失敗するパターン第6位は自社の狙うべきポジショニングや主競合が不明確という点です。
これは自分たちが創りたいものを創ったパターンが良く当てはまります。
新規事業である程度の確度で収益を出すためには、
想定の競合を置くことと、
その競合との競争軸を明確にすることは必須です。
ただ、始めからここを設計せずに、
プロダクトを作ってしまってから、
無理やり想定競合や競争軸を作りに行くパターンが良くありますw
こうなるとプロダクト自体の強みと競争軸がズレてしまい、結果お客様から評価されなくなってしまいます。
またかなり恣意的なポジショニングで無理やりホワイトスペースを作るパターンなどもあります。
特に大きな企業などでは誰が見ても承認してもらえるように、
無茶なポジショニングでホワイトスペースを作って、通す事例もあると聞いたことがありますw
なので始めに自社の主競合と、自分たちが勝てるポジショニングの設計はしっかりと行うようにしましょう。
ちなみにポジショニングに関してはこちらの記事で解説していますので、こちらも併せてご覧ください。
新規事業で失敗するパターン第5位:機能にもコンセプトにも新規性がない
新規事業で失敗するパターン5位は機能にもコンセプトにも新規性がないというパターンです。
人間は新しいものが好きです。
今まで見たことがあるようなものはなかなかHITには結びつきません。
なので、機能かコンセプトかに新規性を持たせる必要が出てきます。
ただ、実際にはここができていないブランドやプロダクトはかなりあります。
なので、過去見たことのあるものだと思われてしまい、手を出してもらえなくなってしまうパターンは多いです。
一方でコンセプトも機能も全く新しいというのもあまりよくないです。
新規性が高すぎると、始めは爆発的にトライアルを生めますが、その後のリピートが生まれないことが良くあります。
これは新規性がありすぎると追随してくる競合が生まれず、結局市場に定着しないからです。
ただ大当たりすれば、競合が絶対に崩せない壁にはなるので、大当たりを狙うのであればコンセプトも機能も新規性があるものを投下するのはアリです。Iphoneなどがその典型例ですね。
※ただし成功確率は下がります。
ちなみに新規事業コンセプトの考え方はこちらです!
【実践で使える】新規事業コンセプトの作り方の型と成功事例を解説!
また、汎用的な売れるコンセプトの作り方はこちらで解説しています。
コンセプトの作り方や成功事例を完全解説!
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新規事業で失敗するパターン第4位:顧客の便益に紐づかない新規性
新規事業で失敗するパターン第4位は顧客の便益に紐づかない新規性です。
顧客の便益に紐づかない新規性を追い求めても、なかなか上手く行かないのが現実です。
具体的な内容で言うと、「世界初の商品」がこれに該当します。
「世界初の商品」と聞くと売れそう!と皆さん思われると思うのですが、実際には売れません。
なぜかというと、まずは「そもそもニーズがないから結果的に世界初になっている」ことがあるからです。
例えば宇宙に一瞬でワープできる機械を開発したとしましょう。
間違いなく世界初の商品のはずです。
ただこれは絶対に売れないと思います。
理由はニーズがないからです。
宇宙に行きたいという人は世界にそう多くないはずで、ニーズがないところでは世界初にはなれますが、ビジネスにはつながりません。
また、「世界初」というのは顧客の便益にはならないというのも理由です。
例えば自分が自転車が欲しいとします。
そこに世界初のホバリング機能(浮く機能)が付いているとします。
この自転車は果たして売れるでしょうか?
これも結論、「世界初のホバリング」をウリにしている限り売れないと思います。
顧客が自転車を買う場合、大半の理由は移動手段であり、ホバリングは移動とはほぼ関係がないからです。
これらの理由から「世界初」の商品に関してもほぼ売れないので、あまり「世界初」を追求しすぎないことをオススメします。
良くある失敗例として、「世界発の○○という技術を使った~」というプロダクトを見かけますが、これも「世界初」にあまり意味はないです。
マーケターは発明家ではなく、実務家なので、世界初を求めすぎない方が良いです。
ただ、顧客は新しいものを求めているので、世界初ではなく、他の産業で成功事例のあるものを自産業に初めて導入するなどして、新鮮さは保ちつつも、世界初ではない、ニーズがある程度あるものを売っていく方が賢明です。
新規事業で失敗するパターン第3位:新規事業担当メンバーの力量・適正が足りない
新規事業で失敗するパターン第3位は新規事業担当メンバーの力量・適正が足りない、です。
これは利益の殆どを稼ぐメイン事業がある会社でよくある事例です。
主力のメイン事業の人員は新規事業に割けないから、メイン事業から溢れた人材を新規事業に当てているという例です。
新規事業をやると分かるのですが、新規事業には本当に色んなスキルがいります。
分からないことを調べるリサーチ、
小さく実行し振り返りを行うPDCA力、
専門分野ではない点は外注を頼る外注マネジメント
等々、既存事業を「回す」よりも圧倒的に高次かつ複合的な能力が求められます。
本気で新規事業を当てたいのであれば、新卒や事業の中核メンバーではない方ではなく、エース社員を担当に付けるべきでしょう。
また、新規事業は既存事業とは違った素質が必要です。
既存事業は、
与えられたことをこなしたり、
現実の延長線上で物事を考える
といった素養が求められますが、新規事業では、
既存の型に囚われない柔軟な考え方が必要です。
こういった点からも、新規事業担当メンバーの力量はしっかりと見極める必要があります。
こういった観点から、新規事業を立ち上げられる際には弊社のようなコンサルをオススメしたいです。
また、新規事業が向いている人に関してはこちらで解説していますので、こちらも併せてご覧ください。
新規事業で失敗するパターン第2位:新規事業のオーナー担当がいない
新規事業で失敗するパターン第2位は新規事業のオーナー担当がいない、です。
これもありがちですが、新規事業のメンバー全員が他の業務と掛け持ち、というパターンです。
このパターンは非常に厄介です。
それぞれのメンバーからすると、新規事業を頑張らなくても、既存事業を頑張れば評価されるので、変に難易度の高い新規事業を頑張ろうとしなくなります。
また、事業のプロジェクトリーダーも上記のように既存事業と掛け持ちであれば、責任感も薄くなり、ますます成功確度は下がります。
これは非常に多い例です。
実際にコンサルに入っても、意思決定者が誰か見えず、
コンサル側からしても非常やりにくい案件となってしまい。ご支援してもうまくいきづらいです。
なので新規事業には必ず専任のオーナーを立てることをオススメしたいです。
新規事業で失敗するパターン第1位:やり切る意思・情熱がない
新規事業で失敗するパターン第1位はやり切る意思・情熱がないです。
1位は非常に月並みで申し訳ないですが、とはいえ事実です。
新規事業の立ち上げは本当に骨が折れます。
綿密に時間をかけて調査したものが的外れだったり、
そもそも法律の関係でアイディアが実現できなかったり、
などなど、今までやってきた苦労が一瞬で水の泡になることはよくあります。
そんな時でも立ち直って再度成功するまでやり切れるか、
は新規事業に置いて非常に重要です。
これはサントリーさんのビール事業が有名です。
サントリーのビール事業は参入から45年間赤字で、参入46年目で初の黒字を達成したそうです。
※https://diamond.jp/articles/-/226807より
ここまでのレベルで、とはさすがに言いませんが、新規事業で成功するためには、やはりやり切る意思や情熱は重要です。
新規事業で失敗するパターン:まとめ
今回は新規事業で絶対失敗するパターンランキングという内容でお話をさせて頂きました。
まとめると、
新規事業で絶対失敗するパターンランキングは
10位:資金不足
9位:自社の強みが生きていない
8位:市場規模が小さい
7位:競合調査が不足している
6位:自社の狙うべきポジショニングや主競合が不明確
5位:機能にもコンセプトにも新規性がない
4位:顧客の便益に紐づかない新規性
3位:新規事業担当メンバーの力量・適正が足りない
2位:新規事業のオーナー担当がいない
1位:やり切る意思・情熱がない
でした。
テクニカルな部分から人的リソースや最後はもはや気合という結果でしたが、この失敗パターンを避けるだけでも、新規事業の成功確度は上がると思います。
また、新規事業の確度を上げるには専門家をに依頼するのも1つの手です。
弊社では新規事業の市場調査・競合調査・コンセプト作成、PL作成などの事業計画の作成をご支援いたしますので、お困りの方は下記からお問い合わせください。
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新規事業コンセプトの考え方はこちらです!
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