はじめに
こんにちは、佐々木です。
最近では、AIやSNSの発展から「ペルソナマーケティングは古い」と言われるようになりました。
しかし、人間の感情便益に沿ったペルソナ像を作り上げることができるのは人間だけですし、SNSには様々な人が投稿しているので、自分たちが思う、ペルソナを固定することができません。
今回は、「ペルソナマーケティングは古い」と言われる理由とペルソナ像の作り方を詳しくご説明したいと思います。
ペルソナマーケティングとは
ペルソナマーケティングとは、
特定の属性を持つ顧客像(ペルソナ)を想定しながら、詳細な人物像をマーケティング分析や施策に反映させる手法です。
「ペルソナ」という用語はラテン語で仮面や人格を意味しますが、マーケティングでは商品やサービスのユーザー(仮想の人物)を指しています。
ペルソナ設定は「年齢・性別・名前・職業・居住地・家族構成」などの属性を用いて、実際に存在している顧客に近い人物像を作り出していきます。
ペルソナを設定することによって、企業側はより具体的な施策を考えやすくなります。
例えば、
①20代女性がターゲット
②25歳の独身OLで休日は岩盤浴に行くのが趣味
であれば、②の方がより具体的に取るべき施策が思いつきやすいと思います。
このようにペルソナは詳細に設定すればするほど、マーケティングの施策の精度を上げてくれるものなのです。
ペルソナマーケティングは古い?
ペルソナマーケティングは、AI技術の発展や多様化によって「古い」とされています。
その理由を詳しく解説していきます。
ユーザーが商品・サービスに触れ合う機会の多様化
ペルソナマーケティングが古いとされる理由として、商品やサービスにユーザーが触れ合うタイミングが多様化していることがあります。
昔はテレビなどのマス広告で、
広告主が描いたペルソナに対して憧れを抱かせる
というマーケティング手法が主流でした。
一方、現代ではデジタル広告で複数パターンのクリエイティブを作れたり、色々な方がSNSで口コミを投稿したりなど、
顧客がブランドのペルソナを感じ取る時代になっています。
このような変化により、従来の「粗いペルソナ設定」ではユーザーを購買まで持っていくのがなかなか難しくなっているために、ペルソナマーケティングが通用しない=古いと言われるようになってしまっているのです。
AIの発達でターゲットの精度が高い
ペルソナマーケティングが古いとされる他の理由として、AI(人工知能)の進化が挙げられます。
デジタルマーケティングでは、AIが顧客のニーズに合わせてコンテンツを表示して広告を出すことで、ターゲットの精度を高めてくれます。
そのため、個別のユーザーに合わせたマーケティングが可能になり、従来のペルソナ設定自体がそもそもいらないのでは?
と考える人が多くなっているのも事実です。
しかし、上記は広告の面においては当てはまります。
ただ、マーケティング戦略全体でみた時にプロダクト開発の面では、顧客ごとにプロダクトを変えることはできないので、ペルソナ設定は必要になります。
SNSの発展でトレンドについていけない
ペルソナマーケティングが古いとされる3つ目の理由に、SNSの発展が挙げられます。
SNSの普及により、顧客は自らの意見や感想を簡単に共有できるようになり、その情報が広く拡散されていきます。
これにより、従来のようにメーカー側が描く理想のペルソナ像を顧客に抱かせるのは難しくなっています。
また、SNSにおけるトレンドは非常にスピードも速く、SNSで流行ったインフルエンサーをペルソナにするというのも、スピードが追い付かずに上手くいきません。
ペルソナとターゲットの違い
ペルソナとターゲットには、明確な違いがあります。
ターゲットは、商品やサービスの理想的な顧客層を指しており、主に性別や年齢、居住地域などのデモグラフィック、ジオグラフィックの情報を中心としています。
一方で、ペルソナは、より詳細で具体的な顧客像をイメージしていきます。
これには、性別や年齢などの基本属性に加えて「家族構成・職業・年収・価値観」など、より多面的な情報が含まれ、サイコグラフィックな情報を中心としています。
ペルソナの作成では、その人の休日の過ごし方や好きなSNSなど、できるだけリアルで詳細な人物像を描き出していくのが特徴です。
具体例で行くと、
①30代、大阪府在住の男性 はターゲット、
②4人家族のサラリーマンで年収500万、ゲームが趣味で、何かをクリアすることが好きな人 はペルソナです。
①は広告配信の対象者を決めたり、プロダクト創りでは調査対象者の母集団形成に使ったりします。
②は広告のクリエイティブを考えたり、プロダクト創りではN1インタビューで自分たちのロイヤルユーザーの共通の価値観を炙り出す際に使ったりします。
ペルソナマーケティングのデメリット
ペルソナマーケティングのデメリットとして、クリエイティブな発想につながり辛い点や、調査に時間がかかったり難易度が高かったりする点が挙げられます。
クリエイティブな発想が制限される
ペルソナマーケティングのデメリットの1つは、クリエイティブな発想が制限されることです。
ペルソナマーケティングは、人物像をできるだけ詳しく絞り込んでいきます。
それ故に、絞り込みによって逆に顧客に対する思い込みを作ってしまって、独自性のあるプロダクトやサービスを生み出し辛くなってしまうこともあります。
調査に時間がかかる・難易度が高い
ペルソナマーケティングを行うためには、定性調査が重要です。
ただ、定性調査は基本的に対象者一人ひとりの話をしっかり聞くので、かなり時間がかかってしまいます。
また、定性調査は数字でデータ分析できる定量調査と違い、
顧客の回答からインサイトを見抜く特殊なスキルが必要で、非常に難易度が高いです。
このあたりはある程度の調査経験が必須になってきますので、定性調査のN1インタビューについて知りたい方は下記の記事を参考にして頂ければと思います。
ペルソナマーケティングの効果を最大限に上げるポイント
ペルソナ設定を行なっていく際には、しっかりとポイントを理解しながら効果的なペルソナ像を作り上げていきましょう。
① 自社の商品・サービスを分析する
ペルソナ設計の初期段階では、自社の商品やサービスを深く分析することが大切です。
製品の強みや弱み、市場における位置付けなどを明確にすることで、どのような顧客の悩みを解決できるか把握しておきましょう。
また、自社分析を行う際には3C分析(Customer、Competitor、Company)のようなフレームワークを活用することが効果的です。
既存ユーザーからの情報収集を行う際には、N1インタビューなどを通じて製品やサービスの認知、使用感、課題点などを収集していきます。
3C分析についてはこちらの記事に実例つきで解説しておりますので、良ければご覧ください。
② ペルソナを項目で確認していき、価値観を炙り出す
ペルソナ設計の重要なポイントとして、ペルソナの具体的な項目に沿って作成していくことが挙げられます。
一般的には、ユーザーが商品・サービスとどのように関わるかを想像することができる情報を集めていくことが大切です。
主なペルソナの設定の項目は以下のとおりです。
l 性別
l 年齢
l 職業
l 学歴
l 収入
l 趣味
l 性格
l 家族構成
l 人間関係
l 思考パターン
l 使っているSNS
l 利用しているデバイスなど
これらを設定して、最終的には顧客の価値観を炙り出すことが大切です。
③ ペルソナ像を構築し、具体例まで落とす
ペルソナ像をより具体化するためには、先ほどの項目を中心に行っていきます。
この際に重要なのは先入観や偏見に頼らずに、実際のデータやN1インタビューなどの定性調査の結果を中心にペルソナを構築していくことです。
詳しくペルソナを作成することができたら、最後に名前や写真(イラスト)を付け加えておきましょう。
ペルソナはテキストのみでも作成できますが、誰もが共通のイメージを持てるような視覚的な要素を加えることがおすすめです。
芸能人で例えたり、社内の人で例えると非常に分かりやすいので、オススメです。
④ チーム共有後にブラッシュアップ
ペルソナマーケティングの最後は、チーム共有とペルソナのブラッシュアップです。
ペルソナ像は、ユーザーの悩みや日常の過ごし方など、
細かい部分までチームに浸透させることで、プロダクト作成や広告などにおける共通の認識を作り上げることができます。
また、ペルソナを一度設定した後、実際のマーケティング施策を進行する中で、作成したペルソナとニーズがかけ離れてしまうことがあります。
時代やトレンドの変化によってもユーザーのニーズや立ち位置が変わるため、ペルソナもこれらの変化に合わせて柔軟に調整することが大切です。
ペルソナのブラッシュアップをしていく際には、過去のペルソナ像にあまり囚われすぎないことも大切です。
ペルソナマーケティングを行う際の注意点
ペルソナを作成する際には、言語化がとても重要です。
何となくチームで議論をして全員の共通見解を持てたと思っても、いざテキストなどに起こすと認識の相違などが起こることが良くあります。
なので、作ったペルソナは必ず言語化して残しておくことを意識しましょう。
また、ペルソナの具体的な設定方法はこちらで解説していますので、こちらも併せてご覧ください。
まとめ
ペルソナマーケティングは古いと言われていますが、
いくらAIやSNSが発達しても結局プロダクト作成にペルソナは欠かせません。
ただ、一方でペルソナ像が妄想になってしまうと売れないプロダクトを作ってしまうことになりかねません。
そのため、しっかりとニーズ調査をしながらリアルなペルソナ像を作り上げていきましょう。
またペルソナマーケティングの効果を最大限に上げるポイントは
① 自社の商品・サービスを分析する
② ペルソナを項目で確認していき、価値観を炙り出す
③ ペルソナ像を構築し、具体例まで落とす
④ チーム共有後にブラッシュアップ
でした。
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そしてペルソナが作れたら、次はコンセプトを作り、コンセプトを行います。
コンセプトテストに関してはこちらで解説しているので、こちらも併せてご覧ください。
本日は以上です。